5月に「高齢男性のトイレ汚し問題」という記事を書いた。
男性が立ってトイレをして失敗してびちょびちょになってしまう問題である。
どの家庭にもある問題なんだけど、高齢になると失敗がえげつなくなってくる。
うちのオヤジも相当なもので、90代の利用者さんと同レベルの汚しっぷり・・・まだ71才なんだけど!
たぶん、半分以上はこぼれてるんじゃないかな。
私も母も使うトイレである。
日に何度も何度も、トイレに行くたびに洪水になっているから気が滅入る。
うっかり水たまりを踏んじゃって母が足を滑らせたりもする。
もちろん、どんなに注意してもお願いしても貼り紙をしても、座ってなんかしてくれない。
汚してる自覚がないから掃除もできない。
介護の苦労と呼ぶには些細なことだと思う。
ひとに話せば「それくらい」って笑われるかもしれない。
どこの家でもあることだ、って。
病気だから仕方がない、って。
私もそう思ってずっと我慢していた。
でも。
仕事の合間に、母のトイレ介助のためだけに帰宅したときのことだ。
5分とか10分とか、本当にもうギリギリの時間しかない。
それなのにトイレの床も便座もびしょびしょなんもんだから、もう、発狂しそうになった。
「こっちはクソ忙しいんじゃあーーーーーー!
ええかげんにせえーーーーーーーーー!」
上がっている便座をわざわざ下ろして、おしっこをひっかけている。
これは、わざとか?
わざと私に嫌がらせをしているのか?
どこの家でも父親と長子はケンカするようにできている。
それは人間が猿だった頃の名残なんだって。
ボスの座を争う猿の宿命なんだって。
私たちもこのままだといずれ殺し合いに発展しかねない。
・・・おしっこが原因で殺し合いなんて、アホすぎである。
それで私は提案した。
「毎日タバコ3本、吸ってもいいから、おしっこは座ってしてくれ」
と。
オヤジには高血圧と狭心症の持病がある。
絶対禁煙、ドクターストップが出ている。
この数ヶ月、私はあらゆる手を打ってオヤジの喫煙を阻止してきた。
だがオヤジはどうしても吸いたくてたまらないらしい。
棺桶にはタバコを入れてくれと言うほどである。
べつにタバコを吸って死ぬなら勝手に死ねばいいが、へたに脳梗塞でも起こして寝たきりになると、大変だ。私の残りの人生は目も当てられないことになる。だからタバコはやめてほしい。
が、オヤジにしてみれば私の人生なんか知ったこっちゃない。
タバコのほうが大事なのである。
そして私も、オヤジのおしっこ攻撃にはこれ以上は耐えられそうにない。
そこで私は、1日3本のタバコと引き換えに
「トイレを汚さない、座っておしっこをする」
と交渉したのだ。
オヤジはそれを承諾した。
タバコか。
おしっこか。
傍から見ればふざけているように見えるかもしれないが、私にとっては究極の選択である。
本当はどっちも選びたくないんだけど。
殺人犯になるよりはマシだと自分に言い聞かせて、タバコを買ってきて3本渡した。
するとどうだろう!
トイレの汚れはピタリと収まった。
オヤジは
「ちゃんと座ってしている」
と言う。
本当だと思う。
・・・やっぱりだ。
やっぱり、わざとだった。
病気のせいでこぼすとか、座ったらできないとかじゃなく。
嫌がらせだったんだ!
それも、タバコを狙ってわざと汚していたのだとしたら?
目論見通りだったとしたら?
うおおおおお!!!
よけいにイライラしてきたあああああ!
まあ、いつまで続くかはわかんないし。また汚したら、タバコもお預けだ。
コメント
父親と長子の問題、当てはまります。なかなか激しいやり取りをしています。怖いですね。私も気をつけようと思います。タバコですか。うちは、父の言動が激しくなってくると、「110番してきてもらうわ」と言うと収まる確率が高いです。脅しですね。素直に聞いてくれたらいいのにと思っています。
アキさん、お疲れさまです。
介護に関係なくどの家でもある問題みたですね。
にしても、110番ですかーそれは激しい!
私は
「正論をいうにしてももっと優しい言い方をしろ」
と親戚から説教されたことがあるのですが、優しい言い方をしたって聞きませんやん・・・?
誰かが代わりになんとかしてくれたらいいんですけどね。
お互い犯罪者にならないように(笑)気をつけましょう~