平和教育

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忘れられない話がある。
小学1年のとき、担任の先生がこんな質問した。
「みなさんの好きな音は何ですか?」
電車の音!
ピアノの音!
「じゃあ、みなさんの嫌いな音は何ですか?」
嫌いな音? なんだろうなあ・・・
黒板をキーキーひっかく音!
「そうですか。先生の嫌いな音はね、サイレンです」
サイレン? お昼ちょうどに、ううううーーって鳴る、あのサイレン?
「そうです。あのサイレン」
中年の女性教師だった。いつも地味な服を着ていた。四角いメガネをかけていた。
「先生が今のあなたたちと同じ1年生のとき、戦争がありました。よく空襲警報が鳴りました。サイレンです。サイレンが鳴ると敵の飛行機がたくさんやってきて、爆弾をぼんぼん落としていきます。とても怖かった。だから今でもサイレンの音が苦手です。空襲警報を思い出すから」

今はどうなのか知らないけど、私が小学生のときには平和教育の授業がしょっちゅうあった。
1年生で『ピカドン』の映画を見ることに始まって、修学旅行で広島の原爆資料館へ行くまでの6年間。
被爆された方のお話を聞いたり。
本や資料を読んだり。
峠三吉を暗唱しまくったり。
それはもう苛烈なくらい戦争のことを教えられたものだ。
「原爆資料館の展示がすさまじく怖くて、毎年のように卒倒したり吐いちゃう子がでるから、そうならないように準備運動をしているんだ」
と先生は言っていた。
準備運動のやりすぎでトラウマになった人もいると聞くけれど、とにかくそういう時代だった。

小学校でぎゅうぎゅう詰め込まれたときはキツかったけど、今になってみれば、とても大事なことを教わったのだとわかる。
知っておかなくていはいけないこと。
覚えておかなくてはいけないことだ。
戦争体験を語ることのできる人たちはどんどん少なくなっていく。
そしたら・・・こんどは、私たちが子供に教える番になるのだから。
そのためにも、利用者さんのお話をできるだけ残していきたいと思う(『さわやか今昔ものがたり』はこちら)。

「戦争は天災ではない」
とは利用者さんの言葉。
戦争は、人の手で引き起こされる最悪の災いだ。
それなら、人の手で避けらるはずなのだ。

本日の猫写真。

いろいろあるけど、とりあえず肉球に癒やされとく・・・。

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