仕事の合間に、姪っ子とラーメン屋デートをした。
「今日は椿がおごるよ。だだにクリスマスプレゼント!」
と言ってくれたから。
現役女子高生とデートできるなんて幸せな一日だなあ。
なーんて思ってたのに!
夕方、仕事を終わらせてスマホをみると、さっき別れた姪っ子からLINEが来ていた。
「おじいちゃんが倒れたって!」
『おじいちゃん』とはオヤジのことだ。今日は調子がよかったので近所の温泉へ出かけたのだが、入浴中に倒れ、救急搬送されたそうだ。
先に病院へ駆けつけた妹に連絡をとる。
「大丈夫みたいだよ。検査してもらったけど、心臓も脳血管も無事で、インフルエンザもないんだって」
・・・じゃあ、のぼせたか何かだろう。入院の必要もないとすぐに帰ってきた。やれやれ。
幸い大事には至らなかったが
「やっぱり、アカンな」
「アカンな」
私と妹は顔を見合わせた。
「どないしょうかな」
ここのところオヤジは再び状態が悪化している。大事な約束をすっぽかしたり服を着替えなかったり、先週末まではあんなにもしっかりしてたのに、ほとんど普通に戻ったみたいだったのに、もうダメだ。なんでこんなに波が激しいんだろう。
「完全に見張りが必要だな」
ということで意見が一致した。
折しも伯母から
「寝室を1階にしたほうがいい」
とアドバイスされたところ。足元がおぼつかないから階段はやめたほうがいいと。着替えもトイレも一日中、もっとみんなの目の届くところに居てもらったほうがいい。調子の悪いときは私が介助したほうがいい。そこで1階の和室をオヤジの寝室に改造することに、急遽、決めた。
決めたら早いのが我が家である。『うまくいかなかったら』とか『明日にしようかなあ』とか思わない。
「よし、今すぐベッドを買いにいこう!」
「ニトリなら9時まで開いてる!」
すぐさま出かけて安いパイプベッドを買って帰り、妹と2人で組み立てた。和室に置きっぱなしだったコタツやなんかを裏庭に放り出し、大規模な模様替えを敢行した。猫トイレの位置も変えてしまったのでシシィさんから苦情が来た。
オヤジはご飯だけはよく食べたが、ひどくボーっとしている。紙パンツを自分で着替えることができない。
「悪いけど脱がすで! 恥ずかしいかもしれへんけどな、私これでもプロだから!」
と言って、下着から何からひん剥いて着替えさせた。
妹たちのいる時で本当に助かった。温泉に置きっぱなしの車を取りにいくのは私一人じゃ不可能だったし、ベッドを持って帰るのも組み立てるのも一人ならものすごく大変だっただろう。姪っ子たちはデイサービスから帰ってきた母を見ててくれたし、夕飯の用意から後片付けまでしてくれた。今日はなかなかのチームプレイだったと思う。本当にありがたかった。
これからどうなるかわからない。どうすればいいのかもわからない。でも、変化を受け入れ一つひとつ対処して、安全に、楽しくお正月を迎えたいと思う。
コメント
こんにちは。リズム感のある文章にいつもノリノリで見させていただいています。とても早い対処にさすが、たださん!
ただ、何か…症状に引っ掛かりを感じてしまいました。進み方が早すぎるのでは?ごめんなさいね、いろいろ見てきたプロの方に。
私が介護をしていた7年前とは違い、認知症の種類が格段に増えていて…甲状腺とか、脳せき髄液とか、80を過ぎてからの発症はアルツハイマーではなくタンパクの異常とか、胃の手術経験がある人のビタミンB不足とか、肝臓腎臓肺の症状とか…。
以前、確か検査したと記憶してますが、もう少し詳しく調べた方が良いのではないかなと感じました。
もしかして検討していたのでしたらごめんなさい。
ありがとうございます。
お詳しいですね!
そうなんですよ、MRIの結果では、いわゆる認知症とは違うようですし。
普通に鬱病かもと。
一体どこに原因があるのか…
心因性のものなのか、身体に原因があるのか…
持病のせいかもしれませんし、お薬が増えたせいかも。
正月明けの検査をみてから主治医に相談したいと思っています。