終わらない夏(4)転院・転院・また転院

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7月に脳梗塞を起こすも「風邪じゃないですか」と処置されず、救急でようやく入院させてもらったオヤジ。
8月に気管支炎となるも入院させてもらえず、悪化してようやく入院できた母。
・・・やれやれ。
私は過労で熱なんか出してしまった。

それでも入院させたら一安心!
あとは病院にお任せしてほっと一息!
・・・つけるわけがない。
介護はそんなに甘くない。

入院中も手がかかる人たち

入院させたら、たしかに家で介護は必要ない。
その代わりしょっちゅう電話がかかってくるから落ち着かない。
荷物もしょっちゅう持っていかねばならない。
オムツに着替え、それから食べるものを。

2人とも、食べないのだ。
オヤジは相変わらず好き嫌いをいって食べないし、
母は食欲が戻らなくて食べないという。
病院から
「栄養が足りないので好物を持ってきてあげてください」
と言われ、せっせと2人の病室にエサ好物を運ばなくちゃいけない。
面倒くさい!

それに病院というところはいつまでも置いてくれるわけじゃない。
症状が安定してきたら必ず出ていくように言われる。
うちは両親そろって転院することになった。

今までは両親ともに市民病院のお世話になっていたが、次は別々だ。
オヤジはかなり良くなってきたのでリハビリ病院でしごいてもらってから帰宅する計画。
母は・・・病状が落ち着いたら家に連れて帰りたかったんだけど、
「食欲が戻らないのでもう少し療養型病院で様子をみてください」
と言われた。

転院・転院・また転院

母は1週間前に療養型から市民病院に転院してきたばかりだが、また療養型に戻ることに。
そして同時期にオヤジも転院することに。
つまり、1週間に3回の転院だ!

転院って、わりと手がかかる。

リハビリ病院には前もって面談に行かなくちゃいけない。
荷物まとめなくちゃいけないし、新たに持っていく荷物も用意しなくちゃいけない。
当日は朝から退院の手続きをして、荷物持って本人を移動させて、次の病院で入院手続きをして。
半日はかかる。
急な転院だと仕事に穴をあけることになる。
オヤジのときは妹が少し手伝ってくれたけど、全部は頼めなかったから、仕事の合間に病院をハシゴ。
これを1週間に3回やるとクタクタだ。

転院しても相変わらず病院からあれこれと電話がかかってくるし、相変わらず食べ物を運ばなくちゃいけない。
帰宅すれば、これまで溜めこみまくっていた事務仕事が待っている。
さすがに疲れた。
オヤジの病室と母の病室を間違えて行っちゃうくらいには疲れていた。

ただ、夜遅い時間だけはゆっくりできる。
つまり・・・
なんと・・・
お酒を!
飲んでも!
いいのです!
(酔っぱらったら介護できないので普段は全くのまない)

転院の隙間に

転院先が近い場合、病院が車を出してくれることが多いらしい。
呼吸に不安のある母はストレッチャーで運んでもらった。

だがオヤジにストレッチャーは必要ない。
私は一計を案じた。
「自分の車で移動させます」
と申し出たのだ。
うちの車は車椅子ごと乗ることができます。
私は介護士だし慣れていますから大丈夫!
「え、でも・・・」
不安そうな病院の人に、私はこう言った。
「一瞬だけ家に寄って、家族に顔を見せてあげたいんです」
すると病院の人は微笑んで
「そういうことなら」
と許可をだしてくれた。

転院先のリハビリ病院も我が家から近い。
ちょっと早めに病院を出て。
ちょっとだけ家に帰った。
オヤジ、2か月ぶりの帰宅である。

「サンジ!おいで!おとうさんだよ!」

オヤジは、ずっとサンジに会いたがっていた。
サンジに会いたいから水頭症の手術を決意したのだし、サンジの話をするといつもちょっと泣いていた。

サンジはサンジで、毎晩オヤジの布団で眠っている。
きっとオヤジが恋しいのだと思う。
おしっこ臭いから捨てたいのに、サンジのために捨てられないのだ。

そんな二人なのに。

・・・微妙に距離がありますね。

オヤジはサンジを撫でてやり、あんぱんとコーヒーで10分ほど休憩した後、リハビリ病院へ入院した。
また2,3か月は帰ってこられないだろう。
それまで、次に会うときまで、元気でいろよ、2匹とも。

コメント

  1. ワタシも、爺婆さまがそれぞれ別々の病院と施設に入っていた時が一番楽でした
    自転車で2箇所回って、着替え届けたり、リハビリ見守ったりは大変でしたけど、明確にON・OFFが分かれてる生活でしたから
    深夜のお酒、なんて素敵な一杯でしょう
    在宅だとそうはいきません
    いつ何時呼ばれるか、呼ばれなくとも気配や物音察知して駆けつけないといけないんですから
    ご両親に帰って来てもらいたい気持ちもある反面、もう少しだださんが自由でいられる時間が長くなることも願わずにはいられません

    • ありがとうございます。
      夜にお酒飲めるのって最高ですね!ビールがおいしい!
      ただ心配事が多くてざわざわして、ちっとも落ち着きません。
      どっちもどっちですねえ・・・。

  2. 仲が良いご夫婦とは入院も同じタイミングなのでしょうか?
    私の両親もほぼ同時に入院しました、父が昨日心筋梗塞で、母が今日肺炎で、、
    呪われいるのか?私の家は??って思ったけど。
    私は両親に何回も2,3日でいいからショートステイに行ってってお願いしたのに
    頑固に行かなかった親。
    まさか入院で実現するとは、、でも手放しで喜べはしませんね。
    真夜中の病院からの電話が怖いです。
    だけど、がらんとした家の寂しさ、そのうち慣れるでしょうけど^^
    で、そんなときにきっと退院してくるんでしょうね(退院できるかな、、)

    • りんごさん、お疲れ様です。
      2人同時入院!
      想像しただけでくたびれる・・・。
      一刻も早く落ち着いて、リンゴさんがゆっくり休めますように。
      お互い体には気をつけましょうね。

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