ある日突然、母がアナゴさんに変身した

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昨日、母の唇に何かついているのを見つけた。
「おかーさん口にゴミがついてるよ?」
指摘すると母は指でそのゴミっぽいものをちょいと取った。
「あ痛っ! ゴミじゃなくて皮だったわ」
乾燥で唇がカサカサになっていたのだろう。私の一言で母は唇の皮をやぶいてしまった。これがすべての原因だった。

それから4時間後。読書している母の顔を覗きこんだとき
「わっ!」
私は思わず悲鳴をあげた。母の下唇が大タラコに変化しているではないか!

漫画でいうと『サザエさん』に出てくるアナゴさん!
もしくは懐かしのオバケのQ太郎!
ゲームでいうとドラクエのリップス!
まさか母がアニメキャラの唇になってしまうとは。

傷口から菌が入って腫れたことは明らかだ。
「ちっとも痛くない」
ということだし、仮にこれが手足ならさほど慌てなかっただろう。だがなにしろ唇だ。アナゴさんだ。インパクトが大きすぎた。
「このまま腫れが酷くなったらどうしよう」
心配で夜も眠れないと言いつつ夜なので寝ることにした。慌てたって病院はもう閉まってる。もしかして朝になったら腫れは治まっているかもしれない。

だがもちろん朝になっても母はアナゴさんのままだった。「フ~グ田く~ん」とか言いそうに見えた。それだけでなく、タラコ唇がうっすらと黄色いではないか。
「膿だ!」
私はさらに慌てた。膿んでる! 唇が腐っちゃう! 朝一番に皮膚科へ連れていかなくちゃ!

でもその前に、市がやっている『24時間健康相談ダイヤル』に電話してみた。看護師さんが相談にのってくれるというもの。現状を一通り話すと
「緊急性はないと思いますよ」
と言われた。よくあることです、みたいな感じで。
「腫れが酷くなっているとか、痛みが強いのであれば病院に行った方がいいのですが、なければ日にち薬で治るかもしれません」

膿は出ているけど、たしかに腫れは昨日と同じだし痛みもない。もしかして大丈夫なのかも。ちょっぴりホッとしてデイサービスへ連れていく。デイには看護師さんがいるから相談できると思って。すると
「今のとっころ大丈夫そうですね。変化がありましたら連絡します」
という答えが返ってきた。頼もしい。おかげでいつもどおり母をデイに預け、私は仕事に行くことができた。そうこうしているうちに腫れが引くかもしれないと期待して。

が、デイから帰宅した母はやっぱりアナゴさんのままだった。昼間は忘れていられたけど、ギャグ漫画みたいな母を見るとまた不安がぶり返した。とりあえず皮膚科へ行こう!

『本日休診』

うん。これはもう神様が
「病院なんか行かないでよろしい」
って言ってるんだろう。
「しばらくアナゴさんのままでいなさい」
って言ってるんだろう。何かの罰ゲームなんだろう。

これが自分の事だったらこんなに慌てないと思う。原因もはっきりしているし、すぐに病院!なんて考えないと思う。子供が熱だてあたふたしているお母さんの気持ちがちょびっとだけ分かった気がした。

夜9時現在、母はやっぱりアナゴさんのような唇をしているが、膿は止まった。唇の色も落ち着いてきた。私たちもギャグみたいなタラコ唇に慣れてきた。明日になったら、今度こそ腫れが引いてくれるかもしれない。

本日の猫写真。
「あんたのブログの一番の欠点はイケメンが出てこないこと」
と母が言った。失礼な!

我が家で唯一のイケメン、サンジ君です!

コメント

  1. ただいま現在、アナゴさんは快方に向かっておられる
    でしょうか?

    お母さま、そないなクレームをのたまうなんて、むふふ。
    だだ家のイケメン=サンちゃん。
    異議なし。
    その瞳に、私は悩殺されます。
    進歩発展めざましいシェフ氏については、ご尊顔を拝した
    ことがないので、
    すみませんが何とも申し上げられない、とお伝え
    願います(笑)

    • おかげさまでアナゴさんはちょっと小さくなりました!
      既に治りかけとのことです。
      サンジは性格が本当に素直なので補正されて可愛く見えちゃいます!
      が、オヤジはパンツ一丁でうろうろしてる、ただの臭いオヤジです(笑)

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