オヤジの謎の昼食

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夢をみている間は楽しいが、醒めるときはつらいもの。
目覚まし時計が鳴っている。
起きなくちゃいけない。
ここから抜け出さなくちゃいけない。
まぶたをこじ開ける。
ぼんやりと夢を反芻しながら起き上がる。
つらいなあって思う。
たとえそれが夢でも、実体のない世界でも、大好きな人たちとの別れに胸が痛くなる。

それはともかく。
今朝はオヤジがどうしても起きなかった。

服を着たまま寝る。
布団はかぶらない。
かわりにサンジを乗せている。

だいぶ頑張って起こそうとしたが、寝ぼけ顔で起き上がったかと思えばすぐ布団に逆戻り。
私も仕事があるから、そうそう付き合っていられない。

着替えと新しいリハパン、朝食のパンとコーヒー、薬の用意をし、
「下着と服を着替えてください。お昼ごはんは冷凍のお好み焼きがあります。薬を忘れずに飲むこと」
と書き置きして出勤した。
オヤジはカップ麺は作れなくなってしまったけど、電子レンジはなんとなく使える。
冷凍のお好み焼きやナポリタンは大好物で毎週自分で作っている
とりあえず食べるだろう。
着替えは・・・しないかもしれないけど。

昼休みに電話をかけたが、オヤジはもちろん出なかった。
受話器の使い方も朧である。
そこでスマトスピーカー・アレクサを通して居間にいるオヤジとの会話を試みた。

お父さん!聞こえる?
「うん」
すぐに返事が来た。
ちゃんと起きて居間でテレビを見ているらしい。
・・・昼ごはん、食べた?
「たべた」
下着は替えた?
「うん」
薬はのんだ?」
「うん」
怪しいなあ。

そして夕方5時。
帰宅するとオヤジは、昨日の夜のままの服装でぼーっとテレビを見ていた。
靴下もはいていない。
あからさまに臭う。
3回用リハパンが重くなっているのが外からでも分かる。
朝食のパンは食べたらしいが、薬はもちろん飲んでいない。
そして昼用のお好み焼きもそのまま残っている。

お父さん、お昼ごはんは?
「食べたよ」
何を!?
お好み焼きは残ってるけど?
「でも食べたもん」
何を?

冷蔵食品も、インスタント食品も、お菓子も、昨夜の残りも・・・何ひとつ減っていない。
一体、何を食べたの?
「さあ?」
キャットフードかな?
サンジに分けてもらったんじゃない?
「・・・かもしれん・・・」
覚えてないから否定もできないらしい。

そろそろオヤジにもヘルパーさんが必要だなあ。
受け入れてくれるかなあ。

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