母をつれて東京へ行くにあたり、中央区でバリアフリーの部屋があるホテルを探しました。ユニバーサルルームとも呼ばれ、少し広めで段差がなく、車椅子ユーザーが不自由なく使えるようにデザインされている…はずの部屋です。この記事では、私がバリアフリーの部屋をどうやって探しているか、を書いていきます。
1)必要な条件を考える
身体の障害は人それぞれに違い、必要とする補助具も違ってきます。お風呂の手すりが必須だったり、車椅子を回転させる広さが大事だったり、ベッド柵が必要不可欠だったり。快適に過ごすためには何が必要か、どこまでなら譲れるかを、まず考えましょう。
我が家の場合、ホテルに求める必須条件は「トイレの手すり」です。トイレを使うためには便座に座って「右側に縦手すり」が必要なんです。手すりが左側だったり、横にしかなければ、どんなに上等のホテルでも母は泊まれません。
東京には無数のホテルがありますが、条件に合う部屋は簡単には見つかりません。なぜなら、ひとくちに「バリアフリー」「ユニバーサルルーム」といっても、その仕様はほんとうに様々! トイレに手すりがある部屋、手すりをはずせる部屋、浴室が広いところ、電動ベッドがあるところ・・・。たくさんのホテルの中から母の状態にあったホテルを探し出さなければいけません。
2)検索をかける
「車椅子に優しい宿をご紹介」みたいなサイトは多々ありますが、すべてが網羅されているわけではありません。ちょうどいいホテルが見つからなければ、どんどん検索をかけていきましょう。「東京 バリアフリールーム トイレ」「ユニバーサルルーム トイレ」などで画像検索もおすすめです。
公式サイトに部屋の写真(とくにトイレの写真)がないホテルも多いです。公式になくても、実際に宿泊した人がブログに写真を載せていたりするので、根気強く調べます。最終手段でホテルに電話やメールで連絡すれば教えてもらえます。
部屋の写真がなく見取り図だけ、というホテルもあります。トイレの手すりを調べる場合はこれも参考になります。
3)ホテルに確認する
これ! というホテルを見つけたらなるべく早く予約をしましょう。バリアフリーの部屋は数が少なく、どこでも早いもの勝ちだからです。予約はインターネットでできるところも増えましたが、私は必ず電話をかけ、確認をとってから予約をします。WEBの情報は確実ではないからです。工事してたりするし。
直接連絡することで、WEBには載っていない情報を得られることもあります。たとえば「浴用イスの貸し出しがあるかどうか」はどこにも書いていなかったけど、電話できいてみたら「ありますよ」と言われたり。レストランの食事を一口大や刻み食に対応をしてもらえるか尋ねることもできます。
4)バリアフリー法と現実
探してみるとわかるのですが、昔とくらべて「バリアフリー客屋」はかなり増えました。「50室以上あるホテルは必ずバリアフリー客室を1つは用意するように」と法律で決められているからです。
法律なのでホテル側はそういう部屋をつくります。だけどバリアフリーの部屋が本当にバリアフリーなのか、本当にユニバーサル対応しているのか、というと疑問が残ります。「法律だから仕方なく」「形だけ」というホテルもあるようです。
ホテル側に車椅子を受け入れる気があるのかどうか・・・それは公式HPを見れば少しだけ想像することができます。HPにバリアフリー客室について掲載がないとか(実際にあったとしても載せていないとか)、「ありますよ」と一行だけで済ませているとか、写真が1枚もないとか。そういうホテルは「車椅子は来ないでほしいから、大々的に載せないでおこう」と考えているのではないかと、私は思います。
2006年、大手ビジネスホテルチェーンの東横INNが法令違反をしていると報じられました。身障者用の客室や駐車場を一般用につくり変えたり、倉庫にしてしまったというのです。
当時の社長は「障害者用の客室なんてつくってもほとんど客が来ないから、倉庫として使っている」と答えたとか。
ところが今や、東横INNは、めっちゃ使いやすいホテルになっています!(東洋経済オンライン:東横INN「12年前の失態」から遂げた大変身)成田の東横INNは嘘みたいに広かったー!
需要があれば供給も増えるというもの。倉庫なんかにされないよう、バリアフリーの客室をどんどん埋めてやりましょう!