以前、うちにいたアジャリという猫に芸を仕込もうとした。
「アジャリ、お手!」
だが賢いアジャリは
「なんで俺様がそんなことをしなければいけないのだ!」
と頑なに拒否。
私の手が血だらけになっただけでその試みは終わった。
次にサンジにも仕込もうとした
「サンジ、お手!」
だがのんびりやのサンジは
「なあに?」
と首をかしげるだけなのであきらめた。
だがシシィは違う。
ぜんぜん違う。
「シシィ、お手!」
「にゃっ!」
電光石火でお手をマスター!
ご褒美ほしさに次々と新しい芸を覚えいく。
お座り!
お手!
おかわり!
それから・・・ちんち・・・ん・・・。
なんなの、この技の名前は! すみれコードひっかかるよ! シシィさんは女の子なのに。うら若き乙女にむかって「ちん×ん」なんて言えないよ。セクハラかよ。
「ち×ちん」の語源は「鎮座」だそうだが、わざわざ「ちん」を繰り返すなんて昔の人は何を考えているのだろうか。
口に出すのがいちいち憚られるから英語にしようかと思ったけど英語も知らない。スタンドアップかなあとか思いながら適当に「あっぷ!」と命じたら覚えてくれた。
「おかあさんが動画に撮ってあげる!」
というから母にスマホを渡したら、見事なくらい床しか映っていなかった。いつかちゃんと撮れますように。