オヤジの料理(14) 唐揚げ

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熱心に料理本を見つめていたオヤジが、ふと顔をあげて、こんなことを聞いてきた。

「上新粉て何?」

お団子を作る粉だよ。みたらしでも作るの?
と思ったら、唐揚げだった。


(千切りキャベツとトマト付き)

「おいしー!」
「おいしいよ!」
私と母は絶賛したのに、オヤジは相変わらず浮かない顔。理由を訊いたら
「下味つけるの忘れた・・・」
下味!
ええやんべつに!
そんなの、いらんやん!
十分おいしいよ!
「いや、もっとおいしくなる予定やったのに」

やばい。
これはやばいぞ、私。
オヤジの料理に対するハードルがどんどん上がってるじゃないか!
次に私が唐揚げを作ったときに
「俺の唐揚げのほうが旨い」
って言われるんじゃないのこれ!?

ま。
いいか。

もう一つ特筆すべきことがある。
なんと!
オヤジは今日!
生まれて初めて!

布 団 を 干 し た !

もちろん、普段は私が干してるんだけどね。オヤジの部屋は地獄の底みたいに汚くて、足の踏み場もないほど服やモノが散乱し、布団をひっぺがすのも大変な有様なのだ。毎回、かなり苦労している。

今日はいい天気だし、オヤジに「たまには自分で布団を干してみたら?」と声をかけたところ、ちゃんと干していた。パンパンと払ってから取り込んだという。
ついこの間まで
「え、布団? なんのために干すの?」
とか聞き返していたのと同じ人間とは思えない。偉い!

この調子で、いつか自分の部屋も掃除できるようになってくれないかなあ…
「それは無理」
と母が言った。冷たい。

だが母は
「デイでね、『生まれ変わっても同じ人と結婚する』って言ってるのは私一人だったよ!」
と、サラリとのろけていた。

本日の猫写真。

陽なたぼっこサンジ。

コメント

  1. だださん、こんにちは。

    すごいの一言ですね。唐揚げまで作れるようになっちゃうなんて、
    しかも、とってもおいしそう!

    わたしなんか最近はスーパーのお惣菜に頼りまくり。
    簡単な煮ものぐらいしか作りません。
    すでにお父様に負けてます…。

    • ありがとうございます。
      煮物のほうがずっと難しいですよ!
      揚げ物は基本的に味付けしなくていいから…
      下味をつけすぎるよりも忘れてくれて良かったくらいです。
      オヤジもいつか煮物に挑戦してほしいなあ。
      実は私もお惣菜大好きです!
      でもそこそこ高いから、なかなか買う勇気がないですが(笑)

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