みんな同じ

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家に引きこもっているオヤジをどうにかリハビリしたい。
どうやって外に連れ出すか?
だいぶ迷ったのだけど、タバコを買いに行くことにした。
週1回、1箱だけタバコを買う。
普段はテレビから離れないオヤジも
「タバコのためなら」
頑張れる。

私の足なら歩いて5分もかからない店まで、オヤジは片道30分近くかけて歩く。
えっちらおっちら杖ついて。
私はその横をとぼとぼ歩く。
「これが仕事だったら、それなりにいいお金もらえるのにな」
って毎週考える。
利用者さんだったら
「紅葉がきれいですね」
とか
「あと少しですよ頑張って」
とか優しく話しかけてあげたりするけど、仕事じゃないからムダ口もきかない。
せいぜい
「気をつけな車にひかれてハラワタ出るで」
とか言うくらい。
仕事じゃない1時間はかなり長い。

オヤジが足をひきずってかき集めた落ち葉

店の入り口は階段になっていて少し狭い。
私たちの後ろにもお客さんがいることに気がついた。
ゆっくりしか進まないオヤジを待っていてくれている。
「あ、すみません、お先にどうぞ」
と譲ろうとしたら
「あら、いいんですよ」
にっこりと微笑まれた。
「みんな同じですから」
見たところ70代後半の奥様で、たぶんご主人の介護とかしておられるんだろうと思う。
もしくは親の介護をしていたか。
そんなことがわかるくらい、同志のまなざしだった。
「みんな同じ」。
優しい言葉だと思った。

お昼寝シシィさん

本日の猫写真。
掃除機から逃げるためにキャットタワーに駆け上り、そのままお昼寝に入るシシィさん。