介護福祉士の国家試験まで3か月半。地道に過去問を解いている日々だ。
今日はこんな問題に出会った。
【事例】
中等度の認知症がある85才のFさん。これまで同居の娘の支援により生活してきたが、症状が進行してきたために老健に入所することになった。入所当日、Fさんは娘に付き添われてやってきた。(中略)娘は緊張した表情で、職員の問いかけに応えるまで時間がかかり、また、あまり多くを語ることはなかった。
持参した荷物の整理をして帰宅するとき、娘が寂しそうに「これから離れて暮らすんですね」とつぶやいた。
どうしよう。
なんか事例読んだだけでちょっと胸が詰まるんですけど。
母じゃないけど、妹を施設に入れたときのことを思い出してしまって。
【問題】
「これから離れて暮らすんですね」という娘に対する、介護福祉職の共感的な言葉かけとして最も適切なものはどれか?
皆さんも一緒に考えてみてくださいね。
1「心配しなくても大丈夫ですよ」
いや、さすがに無責任すぎるやろ。
入所してすぐは絶対なんかあるやん。
2「私も寂しい気持ちは一緒です」
なんであんたが寂しいねん!?
3「元気を出して、お母さんの前では明るく笑顔でいましょう」
鬼かー!
4「お母さんに毎日会いに来てください」
おう!来てやるぜ!
毎日は無理やけどな!
5「お母さんと離れて暮らすと寂しくなりますね」
・・・えー、それ言う?
あえて言う?
ということで私が選んだのは断然(4)。
「お母さんに毎日会いにきてください」。
だった。
でも残念、不正解!
正解は(5)「お母さんと離れて暮らすと寂しくなりますね」
これこそが共感的な言葉かけ、であるらしい。
(4)は介護福祉職の「個人的な考え」を伝える言葉だから間違いだそうだ。
ええー、私は(4)の方が嬉しいし、実際そう言ってもらった記憶がある。
「いつでも会いにきてくださいね」
と言われて少しだけホッとした気がしたのだ。
まー、さすがに「毎日」は言うたらアカンかもだけど。
「これから離れて暮らすんですね」
という娘の言葉はただ単に寂しいってだけじゃない。
そんなはずがない。
同居で介護してきた母親を入所させるのだ。
不安や罪悪感や悲しみや無力感、いろんな思いがいっぱいいっぱい詰まった言葉であるはずだ。
痛いくらいの思いを抱えているはずなのだ。
そこに他人から
「お母さんと離れて寂しいですね」
なんて言われたらむしろ
「わかったような口をきくな」
とイラッとするだろう。
共感ってなんだ?
人の心に正解なんか無い。
勝手にプンプン怒っていたが、ハタと気がついた。
そういえば私、ずっと「娘」の立場で考えている!
これは介護福祉士の試験問題だから、職員の立場で 考えなくちゃいけないのに。
勉強って難しい。
妹を入所させるとき
「いつでも会いにきてくださいね」
と言ってもらったけど、実際にはコロナでもう1年近くも面会できていない。
電話では元気にしているようだけれど・・・。
やっぱりちょっと、顔が見たいなあ。
コメント
これは、娘さんの性格によって、どれがいいか違ってくるのではないかなと思いました。
わたしが娘だったらどうだろうか?
2と3は論外。
ん~、5がいいかな。
抱えている気持ちは寂しいだけではない複雑なものでも、当たり障りない言葉かけ。
次に1を変形で。
「大丈夫です。時間はかかるかもしれませんが、お母様はここでも楽しく暮らせると思いますよ。」
母のいる特別養護老人ホームに見学に行ったとき、このようなことを言われました。入所のきっかけの一つです。
そして最後に4。
これを最初に言われると、来ることを強制されているような気がします。
だから最後。
まあ、言われなくてもほぼ毎日行きますが(笑)
コロナさえなければ。
ただ素朴な疑問があります。
母親が入るのは老健ですよね。
老健は在宅復帰を目指してリハビリを行う施設では?
少なくともそういう前提ですし、いつまでもいられないですよね。
レスパイト的な意味で老健に入るのか、特養入所を目指して老健に入るのかでも、言葉かけは違ってくるのでは?
なんか不思議な問題ですね。
健闘をお祈りします。
>「大丈夫です。時間はかかるかもしれませんが、お母様はここでも楽しく暮らせると思いますよ。」
イイですね!
私もこれが一番言ってもらいたいかも。
大丈夫って言葉嬉しいですよね。
たしかに老健って3か月ってことになってますよね。
施設によっては
「うちは期限で追い出したりしません、いつまででもいいですよ」
って言われるとこもありますから、そっちなのかな?
問題文では永遠の別れみたいに見えますねえ。
介護福祉士の問題って、「いかに教科書通りに答えるか」だから、ほぼおうむ返しに言ってるのが「共感的」という解釈でこの場合、5ってことになるんだろうなあと読みながら思いました。
なまじ、実際に接してる利用者さんとよく似たケースの問題だと、正解が分からなくなったり、自信を持って不正解を選んだりしてました。「リウマチの利用者さんにプールを勧める」が正答の問題に対し、実際の利用者さんを思い浮かべ、「プールなんて、そうそう近くにないし、そもそも着替えてプールまでの介助者どうするんだ。」と迷わず別の答えを選んでしまいました。深く考えると間違えますね。(苦笑)やってるうちに機械的に答える癖がついてきて正答率が上がり、「過去問3〜5年分を繰り返し解けば受かりますよ〜」という実務者研修の講師の言ったことが、よーく分かりました。
中には「ありえん」と思う選択肢もあったりして、思わずつっこんじゃいますよね。楽しんでください!
ありがとうございます。
私は共感の意味がわかってないようです
試験だから教科書に共感すればいいのですねー(笑)
プール問題ワケわかんないですね。
プールなんてめちゃくちゃハードルが高いですよねえ。
私も実際の案件と似ているとすぐ
「でも利用料かかるし」とか「洗濯物でるし」とか考えてしまいます。
一番問題なのは、過去問解きながら寝ちゃうことなんですよ。
試験中に寝ちゃったらどうしましょう~