ボケボケの絆

近頃ミスが多い。
仕事でもプライベートでも本当に多い。
大事なものを失くしたり、忘れ物をしたり、約束をすっぽかしそうになったり。
このあいだ記事にも書いたように、今ちょっと頭がいっぱいいっぱいなのだ。

今日もとんでもないミスをして、どんよりと凹んでた。
お金のミスは、アカンよなあ・・・。

どんより凹んだまま訪問の仕事にいって、
どんより凹んだまま玄関を開けて
「こんにちはー」
と挨拶したら、利用者さんも私と同じくらいどんよりしていた。
・・・どうかしました？
「今日な、買い物にいって、お金を払おうとしたら、財布を家に忘れてきたことに気づいた。せっかく行ったのに何も買えなかった」
体の悪い利用者さんにとってスーパーへ行くのは大仕事。
頑張って歩いたのに大好きなお饅頭を買えなかったショックは大きいようだった。
「アカンなあ。近頃、ボケてきてしもうて」
認知症はないけれど、年相応のもの忘れというところだろう。

「私と一緒ですね」
仕事だからとか、なぐさめようとかじゃなく、私は心底そういう気持ちで言った。
「私もボケボケなんです。今日はこんなに大きなミスをしちゃったんですよ。うっかり忘れてて」
「ええええ、それはひどい」
・・・ひどいとか言われた。
「他にもねえ、このあいだは大事な領収書を失くすし、書類もどっかいっちゃったし、予定をすっかり忘れちゃうし」
ミスの話ならいくらでもできる。
「ねえ、ひどいでしょ？◯◯さんだけじゃないんですよ、私も一緒です」
「ヘルパーさんも若いのに大変やな」
「◯◯さんもせっかくスーパーへ行ったのに災難でしたね」
「ああ、大変やった」
「お互い、いろいろありますけど、頑張りましょう」

利用者とヘルパーの間になんとも言えぬ「ボケボケ同士」みたいな絆が生まれていた。
その絆はほんわかと居心地がよくて。
気がつけば、どんより凹んだ気持ちは消えていた。
明日も頑張ろう。

本日の猫写真。

「さっきご飯たべたでしょ」
と言ったらだいぶスネていた。