メシマズなヘルパーのため息

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私は料理が苦手である。
数学と針仕事の次に苦手である。
訪問介護の仕事につくときにもキッパリ言った。
「料理はダメです!」
だがやっぱり仕事なのでダメもくそもない。
どうしたって
「夕ごはんをつくって」
「2日分つくって」
というような仕事がきてしまうのである。

わりと最近、気づいたのだけど、一部に
「ヘルパーさんは料理が上手」
と誤解している人がおられるようだ。
「冷蔵庫にあるものでチャチャッと手早くヘルシーな食事をこしらえてくれる、家事のプロ!」
それは大きな誤解である。
大間違いである。
「家事のプロ」は家政婦さんである。
訪問ヘルパーは家政婦ではない。

ヘルパーは調理師でも栄養士でもない。
介護のプロである。
介護の資格をとるのに調理の腕は問われない。

訪問介護で調理をするのはあくまで
「生命維持のために必要な栄養をとっていただく」
という介護の仕事としてである。
そりゃあ、おいしく食べていただけるように頑張るし、中には上手い人もいるけれど、それでも料理人じゃない。
私なんかただのおばちゃんである。
近所のおばちゃんを見てほしい。
料理がうまいおばちゃんもいれば、下手くそなおばちゃんもいるだろう。
メシマズなヘルパーも普通にいるのである。
本当に申し訳ない!

そんなことを考えながら今日も調理の仕事をした。
今日も美味しくできなかった。
・・・利用者さん、ごめんなさい。
そんな思いが顔に出ていたのだろうか。
利用者さんが
「僕ねえ、トシのせいか、味とかあんまりわからんのですよ」
とおっしゃった。
「・・・もちろん、コロナじゃないで?だいぶ前からや。だから少々、辛くても、甘くても、よう分からんねん」
もしかして、これは慰めてくれてるのかなあと思った。
お料理下手だけど、苦手だけど、大嫌いだけど!
利用者さんのために、なんとか頑張ろう。

「もうなーんもしたくない」ポーズ

その反動で我が家では、昼ご飯も夕飯も、たてつづけに昨日のカレーを食べています。
もうなんにも作りたくない。

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