たまに会う妹

スポンサーリンク

お休みをもらった。
正月の代休をいただいたのだ。
おかげで土日が休みになった。
「連休だー!」
と喜んでいたら母に
「それは普通は連休とは言わない」
と冷静に言われた。そうかいな?

せっかくのお休みなので家族サービスをしよう。
妹に会いにいこう。
施設入所中の妹に会うのは11月以来だ。
「できるだけ少人数で短時間」という条件のため、両親を家に残して私ひとりで訪れた。
換気のいい玄関口で、ビニールシート越しの面会。
ビニールシート越しだけど
「やっぱり本物はいいねえ!」
という感じだった。
妹は元気そうでたくさんしゃべった。
私もたくさんしゃべった。
もうひとりの妹もLINEで加わり、3姉妹でしょうもない話をいっぱいしゃべった。
紅白がどうだったとか、嵐がどうとか、氷川きよしの衣装がどうとか、そんな話。
近ごろは寄ると触るとコロナの話題ばかりだから、気軽な話題が楽しかった。
まあ私は紅白見てないんだけど。

妹には身体・知的に重い障害がある。
介護度でいうと母の3倍くらい手がかかる。
かつて家で、私ひとりで介護しているときは本当に大変で、おかしくなりそうだった。
正直もう顔も見たくなかった。
眠れぬ夜がくるたびに傷つけ合うことしかできなかった。
・・・これ以上はもうダメだ。
心身に限界がきて施設にお願いしたのが7年前になる。

今、たまに会う妹はとてもかわいい。
本当に勝手な話だけれど素直にそう思える。
妹もそう思ってるんじゃないかな。

きっと高齢者の場合も同じだと思う。
捨てるために施設に入れるんじゃない。
傷つけ合わないため、互いの心身を守るため。
そして家族関係を修復させるため、大事に思うために距離をとるのだ。
人間どうしの「距離」は重要だ。
兄弟には、親よりも大きな距離が必要だと思う。

サンジはU子が大好き。帰ってくるのを待ってると思う

もうじきこの辺りにも緊急事態宣言が出されるだろう。
そうしたら再び面会は完全禁止になるだろう。
「緊急事態が終わったらまた来るね」
といって施設を出た。
妹はうつむいていた。

たまには妹を帰省させてアイス食べながらゴロゴロさせてあげたい。
猫と遊ばせてあげたい。
車に乗せてあげたい。
両親とファミレスにつれていって、好きなものを食べさせて、友達にも会わせてあげたい。
オヤジとカラオケをさせてあげたい。
母の手からご飯を食べさせてあげたい。
施設の方にちょっとでも休んでいただきたい・・・。

早くその日が来ますように。

タイトルとURLをコピーしました