幸せの子供

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スーパーで親子づれとすれ違った。
お父さんとお母さんと車椅子の女の子。
女の子には、全身の麻痺がひと目で分かる障害があった。
車椅子も重々しいバギー。

どうしても気になる。
気になってしまう。
その子がどんな表情をしているのか知りたくなってしまう。
だって懐かしいんだもん!

うちの妹もけっこう派手な重度障害者だから、一緒に出かけるとよく目立った。
昔はずいぶん遠慮なく
「かわいそうにねえ」
と同情されたり、
「輪廻転生についてご存知ですか?」
と宗教をすすめられたりお経を唱えられたりもしたものだ・・・スーパーで買い物をしているだけなのに。
「なんでお菓子を選んでるときに同情されるねん」
反抗期もあって私はプンプン怒っていた。
ジロジロ見られるのがイヤだった。

だから、私はその親子をジロジロ見たりはしなかったけど。
すれ違いざまに一瞬見えた。
キャラクターのひざ掛け。
かわいい服。
明るい色の髪留め。
若い夫婦は何を買おうか相談しながら、声も出さない娘にむかって普通に話しかけていた。
・・・ああ、この子はきっと幸せだ。
そう思って嬉しくなった。
なんだかすごく嬉しくなった。

家でこの話をしたら、
「その子の親も幸せだね」
と母は言った。
「だって、重い障害のある娘が、買い物に行けるくらい元気なんでしょ。それってすごく幸せなこと。私はずーっとそう思ってたよ」

重い障害をもつ子供は『福子』と呼ばれるのだと、昔おばあちゃんが言っていた。
幸福を運んでくる子供。
他の子よりも些細なことで幸せを感じさせてくれる子供。
・・・一人っ子かな。
きょうだいはいるのかな。
きょうだいもみんな幸せだといいな。
せめて子供の時くらいは。

「こんどそういう親子に会ったら、話しかけてもいいと思うよ」
と母は言った。
「可愛いですね、とか、親子でお買い物いいですね、とか。同情とか変な気持ちじゃないんだから、いいよ。私が子育てしてる時もそういう人いたよ、嬉しかったよ」
・・・うーん。
昔とはご時世が違うから、どうだろうなあ?

本日の猫写真。

ごはんくださーい!

夕飯を食べていると猛烈な勢いでおねだりしてくる猫2匹。
あんたらさっき食べたやん!

コメント

  1. 話しかけてもいいんですね。
    ときどき、話してみたいなと思うときがあったんです。

    こんど機会があれば、勇気を出して「こんにちは(*^_^*)」って言ってみます。

    • そうですよね、話しかけたくなりますよね。
      私は今でも母と出かけたとき店員さんなどに
      「うちも介護中なんです~」
      とか声をかけられます。
      理解のある人が周囲にいるとわかると心強いです。

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