メリケンパークの朝

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今回は『ホテルオークラ』のバリアフリールームに私と母と妹の3人で泊まった。


(シャワー椅子など貸し出しあり)

本当は妹をお風呂に入れてあげたかったんだけど、ちょっと狭いのと、薬を忘れたゴタゴタで余裕がなくなってあきらめた。


(L字手すりじゃなかった。使いづらい…)

昨夜も妹はほとんど寝なかった。一晩中タブレットで動画を見たり音楽を聴いたりして過ごし、ずっと私としゃべりたがった。外泊のときはいつもそうなんだけど、
「今日はとくに眠るのがもったいない」
んだって。 気持ちは分かるけど寝てくれー。お母さんが起きちゃうやん、って言ったら逆効果で、
「ママ、ママ、起きてー!」
と起こしにかかる。妹の不眠症はものすごく性質が悪い(というか性格が悪い)。

それでも妹ひとりなら、こんなに手こずらないだろう。私はずっと妹に付いていられるから。母が加わってW介護だから面倒なのだ。私が母をトイレに連れていくたびに妹は
「もう、こっちに来てよ!だだー!だだー!私もおしっこー!」
と大騒ぎ。お母さんのことをやっているから待て、と言い聞かせてもぜんぜん待たない。隣室に聞こえたらマズいから宥めるのに苦労した。

「あんた分身の術を使わないといかんねえ」

母がのんびりと言った。


(母と妹)

朝食も闘いだった。妹はなんでもかんでも「食べたくない」と抵抗しまくった。焼きたてのパンもふわふわのオムレツも、まるでイヤイヤ気の幼児みたいに頑なに拒否するから恥ずかしかった。

それでも食後にメリケンパークを散歩したら機嫌をなおした。空はきれいに晴れわたり、海は穏やかにきらめいている。船の汽笛が鳴りひびき、爽やかな潮風が吹き抜ける。

「気持ちがいいね!」

母も妹もオヤジまでもが上機嫌になった。

「帰りたくない」

妹はいつもどおり駄々をこねた。それでも仕方がないから、昨日薬をもってきてくれた事務員さんへのお詫びと同室のお友達へのお土産を持たせて、施設へ帰らせた。いつものことだけど、打ちひしがれたようにな顔をしているので、私も母も
「また、どこかへ泊まりにいこうね」
と言った。

また、どこか。
いつになるのかは、わからないけど。
いつかきっと。
家族みんなで違う景色を見にいこう。

・・・次は、どこがいいかな。

コメント

  1. 家族四人で神戸のホテルオークラに一泊、良かったね。
    だださんの頑張りには本当にいつも頭が下がります。
    並大抵ではないですよ。。
    夜、だださんが妹さんやお母さんのお世話に孤軍奮闘している間、お父さんは寝ている?んでしょうねぇ?
    妹さんは、朝ご飯、結局、何か食べられたのかしら?
    いろいろ難しいのですね。
    でも、四人一緒というところが、やっぱり良かったです。
    お疲れ様でした。

    • >夜、だださんが妹さんやお母さんのお世話に孤軍奮闘している間、お父さんは寝ている?んでしょうねぇ?
      そうですよー!
      オヤジはいびきをかくので夜は絶対に隔離なんです(笑)
      寝不足で居眠り運転されても怖いですしね。
      妹は、生野菜とソーセージを2、3口食べただけでした。
      もったいないーー!って私が地団太踏んでました(笑)。
      ガリガリなのに食欲の波が大きくて、それが褥瘡の一因でもあります。
      妹とはケンカもしますし、何かと面倒くさいですが、ウィーンに行ったときの地獄の長時間フライトに比べたら、どうってことないです(笑)

  2. お帰りなさい!
    ほんとに、ほんとにお疲れ様ぁ~。ムクロジも夏に一泊したことあります。
    懐かしいです(^-^)。ザ・夜景に言葉がありませんでした。焼きたてパンが美味しくお土産に無理言って調理室から取り寄せてもらいました。よい対応だった印象。

    また、お元気に皆さんで楽しい思い出を作れるミニ・旅ができますように♪
    B型インフル、流行り中、お気を付けくださいな。

    • ただいまでーす!
      ムクロジさんも泊まられましたか。
      春休みとGWの狭間で激安価格だったんですよ(笑)
      パン美味しかったですよね!
      あちこち観光するのはしんどいし、お金もかかるので(笑)、こうやってホテルでゆっくりするだけのプランをまた練ろうと思います。

      こんな時期にインフル流行ってるんですね!
      驚きました。
      お互い気を付けましょう~!

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