93才、『鬼滅の刃』を見る

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折込みチラシを眺めていた93才の利用者さんが、ふと呟いた。
「ほーう、どこもかしこも『鬼滅の刃』ばっかりですね」
・・・ご存知なのですか?
「そりゃあ知ってますよ」
世の中「キメハラ」なんて言葉が生まれるほどである。
この手の流行は、お年寄りにはワイワイとうるさいのだろう。
・・・と、思ったら!
「わたしは毎週、見ておるんですよ」
嬉しそうに身を乗り出した。
「最初に2時間くらいの放送を見まして、それから好きになってね。いやあ、実にいいですな! ありそうでなかった発想だ。とてもいい」

ニコニコ笑顔でアニメについて語る利用者さんを見ていて、思い出したことがある。
高校時代の担任教師のことだ。
彼はマンガやアニメを蔑視していた。侮蔑していた。
「あんなのは子供のものです。いいトシの大人が漫画なんか読むもんじゃない。これだから日本はダメなんだ。恥を知りなさい!」
・・・手塚治虫は?宮崎駿は?あしたのジョーは?
日本をダメにするものなのか?
私は、この先生は絶対に間違っていると思った。

「流行っているものには理由があります。よく売れるものは『その時代に必要な物』なのです。それがわかるか、わからないか。そういうことですよ」
と、利用者さんは教えてくれた。
「私はいくつになっても、その時代がわかる人間でいたいんです。だから、コロナがなければねえ、ぜひ映画館に行きたいんですけど」

93才になっても「時代についていきたい」という利用者さんは、いつもとても楽しそうだ。いつも不機嫌で不幸せそうだった担任教師は、今頃どうしているだろう、と少し思った。

本日の猫写真。

日向ぼっこサンジ。
今日は暑かったですね!

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