コロナ渦での施設面会（２回目）

みんな同じなんだけど、コロナのせいで、施設入所中の妹になかなか会えないでいる。面会は6月にいったん許可されたが、そのあとすぐに第２波がきて再び禁止されてしまった。あれから４か月。
「長いなあ」
「Ｕ子、いい子にしてるかなあ」
施設から送られてきた写真を眺めながら話したり、たまに電話で様子を尋ねたりしていた。

『県の許可がでて、制限付きの面会ができるようになりました』
待ちかねていた連絡がきたのは週末のこと。
「ほな会いにいこう！」
さっそく両親を連れていく。

母は久しぶりに口紅を塗ったし、オヤジは久しぶりにヒゲを剃った。オーストラリアで暮らす上の妹も、LINEで話そうとスタンバイしているはずだ。

お土産には好物のマウントレーニアと、新しいウォークマンを持っていく。ちょっと高価だけど、音楽は、施設で暮らす妹にとって唯一の生き甲斐であり精神安定剤だから。

ところが約束の時間に行ってみると
「ちょうど今、発作があって・・・」
と言われてしまった。

Ｕ子はときどき、てんかん発作を起こす。
季節の変わり目や天気の悪い日にはよく出るのだ。
今は台風も近づいているし、それに
「ご家族にお会いするのが嬉しすぎたのかも」
と言われた。タイミングの悪いやつだ！

面会は、本当なら屋外の会場でするはずだった。
２ｍ開けて、ビニールシートを挟んで。

ところが発作がようやく納まったばかりで動かせない。
そこで、横になって休んでいるＵ子を遠くから顔だけ見せてもらうことになった。

「Ｕ子～～～！」

手を振ってやると、Ｕ子は

「もうなおったから！」

みたいなことを大きな声で言った。きっと「もう大丈夫だからママのそばに行かせて」と訴えているんだろう。まだ少し眼振してるくせに。

少しめくれあがってる裾をなおしてやりたかったし、新しいウォークマンも手渡ししてやりたかったけど、今はできない。かわりに職員さんから、PTさんと気が合うこととか、新しいリハビリを頑張ってることとかを聞かせてもらった。

短かかったけど、遠かったけど、お互いに顔が見られただけでも嬉しかった。

本日の猫写真。

猫がフトコロに入ってくる季節となりました。