選挙へ行こう

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今日は地元で選挙があった。
市会議員の選挙である。
両親ともに頼りないものの、一応は自分自身で投票できるから、投票所へ連れていく。

投票所は近所の小学校だ。
スロープもあるし低い記入台もあるから車椅子でもぜんぜん問題がない。
・・・はずなのだが。
今回ばかりは問題があった。

「ど、どれだっけ?」
母が困惑した声をあげた。

投票する人は決まっているけど、名前はうろ覚え。
そんな人のために、記入台には立候補者の一覧表が貼り付けてある。
その中から名前を探せばいいのだけれど・・・今回は立候補者がやたら多いのだ。
37人である。
一覧表に37人の名前がずらーっと並んでいる。
その中から探さなくちゃいけない。
運の悪いことに、母のお目当ての人は左の端のほうにあった。
半側空間無視の母にはかなり見えにくい位置だ!

隣ではオヤジもフリーズしていた。
単純に活字の苦手なオヤジは、たくさんの名前を見てクラクラしているようだった。
「ど、ど、どれや?」
母と同じ言葉をくりかえしている。
「見つからん!」

もう! ここだよ、ほら!
と教えたい衝動にかられたが、選挙である。
こればっかりは私が手を出すわけにはいかない。
ヒントも出せない。
せいぜい
「表の右端に指を置いて!指をゆっくり左に動かしながら、名前をひとつひとつ見ていって。絶対に見つかるから」
というくらいだ。

そりゃあ代理投票という手もあるんだけど、
「やっぱり自分で投票所へ行って投票しなくっちゃ!」
と母はいつも言う。
「投票所へ行かないと、政治に参加してる雰囲気でないやん!」
自分の手でちゃんと1票、入れてあげたいんだって。

だから頑張れ。
自力で見つけて投票するのだ。
国民の義務を果たすのだ。
頑張れ、母!
あと、あんまりよくわかってないっぽいオヤジも頑張れ!

母は一覧表に指をあてて目当ての人を探している。
一生懸命に探している。
オヤジはずっとフリーズしている。
そうしている間にも、後からどんどん人がくる。
いつまでも記入台を塞いでいたら迷惑だし、立ち会いの人からは不審な目で見られるだろう。
・・・どうしよう。

「あったー!」
母が傍迷惑な声をあげた。
いそいそと書きこんでいる。
オヤジはと見ると、困惑した顔のまま投票用紙に何かを書き込んでいる。
・・・名前を見つけることができたのかどうかは不明だが、まあ、いいか。

「なかなか難しかったねー」
投票所からの帰り道、母は脳トレのクイズを終えたみたいな感想を述べた。
「顔写真を貼っといてくれたらいいのに」
そうだねえ。
37人も顔写真が並んでたら、かえって混乱する気がするけどねえ。
せめて番号を打っといてくれたらいいのにね。

そういえば、私が仕事で出会う高齢の利用者さんはほぼ全員が
「選挙なんか行かない」
と仰っていた。
「というより、行けない」
と。
「買い物にさえ行けないのに、投票なんか行けるかいな」
「娘も忙しいから頼めないし」
代理投票てややこしいんかなあ・・・。

本日の猫写真。
昨日設置した見守りカメラ、設置場所を変えたらシシィのドヤ顔が写ったから見てほしい。

めっちゃカメラ目線。母はまた寝てる。

コメント

  1. 見守りカメラいい位置がありましたね、この位置だとお母様とお話しできそうですね!仕事帰りに買い物の注文を聞くのもいいかも。猫は新しいもので遊びたいようですのでカメラを回転させたり呼びかけてみると何か起きるかも!猫パンチかも?壁にねじ止めも検討されてはどうでしょうか?ダメなようでしたらブログに書き込んでいただければ考えてコメントします。

    • えっと、いただきものなので双方向会話とか回転機能とかついてない機種で・・・
      見守りだけですが、会話はスマートスピーカーでなんとかやれてます。
      ベッドと車椅子でカメラに映る位置が変ってくるので、その都度、移動させるのが面倒くさいですね。

  2. 選挙でちゃんと義務を果たす、ってのはとっても偉いです!
    それも会場にちゃんと行かれたんですね。
    私も、投票する段になって、どのひとだっけ?とわからなくなります。写真はほしい!とかねがね思ってました。

    それから、代理投票でなくて、在宅投票もできますよ。
    これなら、選挙公報を見ながら、自宅でゆっくりと記入できるし、おすすめです。
    (本当はダメなんだけど、横から援助もできます)

    一度、申し込みをすると、証明書みたいなカードがもらえて、それを選挙のたびに選管に送ると(時期になると、送ってくださいという郵便物がとどきます。ちゃんと返信用封筒も入っているのでお金は余分にはかかりません)、投票用紙が送られてきます。

    はじめの申し込みもそんなに難しくなかったので、一度市役所に聞いてみられてはいかがですか。(うちは父がこれを利用しています)

    • ありがとうございます。
      選挙は国民の義務なので我が家はよほどのことがない限り投票に行きます。
      母はまだ車椅子に乗ってるのがやっとの時でも行ってましたし、下の妹はあんまり意思表示できないけどとりあえず挑戦させていました(笑)
      在宅投票なんてあるんですか。便利ですね。
      いつか本当に出られなくなったら考えてみますね。
      そううえば高齢に利用者さんは郵便ポストまで歩くことができず、国勢調査も出しに行けないと言われました・・・。

  3. ツイッターへのコメントになるのですけど…

    ≪介護職に「俺は客だぞ。客のいうことが聞けないのか!」みたいなことを言う利用者さんがたまに出現するけど、それはなんか違う。

    そもそも「お客様は神様」って考えかたはやめてもいいんじゃない?≫

    と、だださんが書き込みされてされてたのを見て思いました。

    こんな人、いるいるって。
    「アホちゃう?(^^ゞ」って思います。

    でも、利用者家族の立場に立つと、反対の人もいるんですよね。

    親を預けているので、言い方は悪いですけれど、家族は親を人質にとられているようなものなので、スタッフにきついことは言えないだろうって態度で、高飛車なものいいをするスタッフさん。

    腹立つけれど、こちらのわからないところで、親に仕返しされたら、(たとえば移乗のときに力任せにしてみたり、入浴のときに洗ってもらえなかったり…)と思うと、「ありがとうございます」とできる限りスタッフさんとの間には波風立てないように気を使っているのが現状です。

    ほとんどのスタッフさんはいい人なんですけどね(*^^*)

    最近、そう思うことが増えてきたような気がするので、書いてみました。

    • ひゃあ、そんな恐ろしい職員がいるんですかー!
      ニュースでは虐待する介護職員がよく報じられますけど、家族の前ではおとなしくしているものかと思っていました。
      そんな人がいるなんて不安ですね。。。
      職員も利用者も人間どうしのことで、本当にいろんな人がいますからね。
      「人質にとられている」と思うと家族は弱いですね・・・