うちの母は元気である。
要介護だし車椅子生活だが、生命力、生きる力に満ちあふれている。
生命力とは何か?
それは欲望である。
欲望は前へ進む力になる。
おいしいものを食べたい。
きれいな服を着たい。
遊びたい。
買いたい。
福袋をゲットしたい。
初売りにいきたい!
ということで、生きることに貪欲な母をつれて近所の阪急へ行ってきた。田舎の小さな店だから正月でも空いているのだが、福袋コーナーだけは別だ! 人気のワゴンには女性客が群がり福袋を奪い合っている。
さすがにこの中へ母を突撃させたら事故になるから、私が福袋をいくつか取って、どれがいいか選んでもらった。母はタオルの福袋を嬉々として選んだ。
「タオルは何枚あってもムダにならないでしょ!」
そうだねえ。
いい買い物をしたねえ。
って、・・・そこで帰ればよかったのに。
「靴下もほしいわ」
「あ、ユーハイムどう?」
「私これ大好き!これ絶対に買う!」
靴下と焼き菓子とセーターまで買ってもた!
どんだけ買うねん!
うちの母は少々、生きる力にあふれすぎているのではないだろうか。
正月早々、お財布が空っぽになっちゃったよ!
私も少しだけ買ったけどさ。
母は阪急で・・・私はGU・・・。
これが生きる力の差かもしれない。