47年目のプロポーズ

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新年あけましておめでとうございます。
2020年に入りました。
皆様いかがお過ごしでしょうか。

我が家は朝から施設にいる妹を迎えにいき、家族そろって雑煮を食べ、近所の神社に初詣にいくというベッタベタな正月を過ごしました。正月早々ソフトクリームを落っことしたり、通りがかりの人に
「靴を落とされましたよ!」
と母の靴を拾っていただいたりしました。

ただ、今年のお正月はひとつだけ特別なことがありました。
オヤジがプロポーズをしたんです。
結婚47年目のプロポーズ。

発端は、先日ドラマを見ているときに母が
「わたしは生まれてから一度もプロポーズされたことがない!」
と言い出したこと。うちのオヤジは極度に口下手だから、47年前もちゃんとは言えなかったらしい。
「プロポーズされてないのに、なんで結婚したのかわからないわ!」
母はプリプリ怒っている。
しつこく何度も怒っている。
・・・何をいまさら。めんどくさいな。
家族みんながそう思った。日本人は愛だの恋だの口にださない文化をもつ。「月がきれいですね」とか言っておけばいいんじゃなかったのか?
「それでも一生に一度くらいは言ってほしいわよ!」
72才の乙女心に火がついてしまったようだ。本当にめんどくさい。

あんまりめんどうくさかったので、私たちは花束を用意した。そして折をみてオヤジに渡し、
「今だ!」
「お父さん、がんばれ!」
声援をおくった。
「あ、お、うん」
オヤジは満面の照れ笑いを浮かべながら
「ええとね、永久にね、死ぬまでね。よろしくおねがいしまーす!」
花束を母に差しだした。
母も満面の照れ笑いで受け取った。
・・・サマーウォーズじゃないんだから。もうちょっとマシな文句はなかったのか。

妹いわく「正月って仏壇用のお花しか売ってないから焦った」

2人とも紙オムツをして、満足に歩けなくて、介護が必要な体だけど。子と孫と猫に囲まれてたけど。ロマンチックさのカケラもなかったけど。それでも、それはそれは幸せなプロポーズでございました。

こんな我が家を今年もよろしくおねがいします!

コメント

  1. 明けましておめでとうございます

    お父さんの一世一代のプロポーズの言葉。
    お母さんにとっては最高の幸せだった事でしょうね。

    だださんにとっても、これからの頑張れる力を貰えた事でしょうね。

    • 新年おめでとうございます!
      今年もよろしくお願いしますです。

      老親のプロポーズは見ているほうが照れるくらいでしたね(笑)
      記憶がまだらに飛んでいくオヤジもさすがに覚えているようです。
      母はしっかりと覚えいるので、夫婦喧嘩のタネがひとつ減って平和になりました。

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