検査を受けさせたいけれど・・・

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夜0時半。
私はぐっすり眠っていたが、夢の中で予感めいたものを感じていた。
・・・ああ、来るな。
それは地震の前の予兆のような、わずかな気配。
たぶん、隣のベッドから漏れてくるかすかな異音を、寝ながら聞いていたのだろう。
母が身動きした瞬間に、
「きた!」
布団を蹴りあげて飛び起きる。
左手で介護ベッドのコントローラーを操作しつつ、右手はガーグルベースをひっつかんで母の口元へあてがう。
「ほげえええ」
だいぶ情けない感じで母は吐いた。

深夜限定、母のゲロ祭りである。
もう何度目になるだろうか。
私も母も慣れたもので、1滴もこぼさないし、どこも汚さない。
私の布団で眠るシシィでさえ
「またなの~」
と目をしょぼしょぼさせるだけ。
ひどいときは一晩中でも吐いているが、今日は2時半には治まった。
治まるとケロっとして吐き気も残らない。
「せっかく起きたんだからもったいない」
と、母のお気に入りのコメディを見ながらもう一度寝た。

午後から訪問医の先生が来てくれたので、やっぱり胃カメラを受けさせたいと伝えた。
睡眠薬を使えば検査はできるだろう。
ただ、睡眠薬の種類によっては「1泊してください」と言われるかもしれない、とのことだった。
今はコロナ渦のまっただなか。
どこの病院も徹底して慎重になっている時だ。
今日はわりと近くのグループホームでクラスターが発生したという。
なんていうかタイミングが悪いなあ・・・。

本日の猫写真。

「おかあさんは私のもの!」
シシィさんは母といっしょに寝るのが何より好きです。

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