たかが蕁麻疹、されど…

スポンサーリンク

母は普段、夜はよく寝るほうだ。寝つきはあまりよくないが、眠りにおちるとおとなしく朝まで寝てくれる。おかげで私はひとり自室で休めるのだ。

が、昨夜は違った。

「喉が乾いた。お茶もってきて」
「コーヒー飲みたい」

何度も呼びつけられた。
どうしたのと聞いたら
「なんだか痒くて眠れないの」
珍しいなあ。
どうしたんだろうね。
そう言いながらかゆみ止めを塗っておいた。

それでもやっぱり眠れなかった。
3回めに起こされたとき、トイレにつれていって、びっくりした。脇の下から腰にかけて真っ赤っか! 虫さされみたいなデコボコの腫れもたくさん!
「じんましんだー!」
そりゃあ痒くて眠れないわけだよ。

母はとくにアレルギーもないし、妙なものも食べていない。じんましんんの原因は不明だ。深夜、私にできることは、かゆみ止めを塗ることと保冷剤で冷やすことだけだった。だがそれくらいではじんましんは治まらず、結局、母はほとんど一睡もできないまま朝を迎えた。

それでも朝には少しマシになっていた。朝食後に2時間ほど眠ったら腫れも引いてきた。
「よかった。もう大丈夫」
母はデイサービスに、私は仕事に出かけた。

でも大丈夫じゃなかった。
夕方、デイサービスの送迎バスから降りてくるなり、職員さんが
「じんましんが!大変なんですよ!」
と教えてくれた。
「朝よりひどくなっちゃったんです!」
えー…。

本当にひどくなっていた。じんましんは首から下ぜんぶに広がっていた。お腹も背中も、手も足も、ぜんぶ赤い。氷で冷やしたり薬をぬって、ちょっと引いたかと思えばまたすぐに燃え広がる。

私はアトピーもちで、じんましんもたまに出る。だから分かる。これは、かなり、つらい。100万匹の蚊に全身を刺され続けていると想像してほしい。

母はもう転げ回って痒がっていた。飲むのも食べるのも、トイレでさえ
「それどころじゃない!」
と手につかない。痒みに意識が集中してしまっている。顔も赤いけど、血圧が上がっているせいなのか、痒みのせいなのか、じんましんがとうとう顔まで上がってきているのか、ちょっとわからないほどだ。

なんとかしてあげたいけど運悪く今日は木曜日。皮膚科はすべて休診だ。塗り薬と保冷剤に加え、市販の飲み薬(かゆみ止め)を飲ませてみたけど、そう簡単に効果はでない。

・・・どうしよう。私はとっても困ってしまった。
たかが、じんましんだ。たぶん大した原因ではないだろう。息苦しかったりどこかが痛むわけでもない。

母の場合、精神的なものも大きいように思う。痒いと思えば思うほど痒くなる。かけばかくほど、もっと広がる。悪循環に陥っているのだ。痒みから気をそらすことはなかなか難しいが、「病は気から」で治ることは大いに考えられる。

それで訪問診療の番号に電話をした。
「たかがじんましんで申し訳ないですが…」
それでもすぐに看護師さんが来てくれた。
明るく可愛い方で、母は看護師さんの顔を見ただけでちょっと元気になった。とはいえ腕が痒すぎてじっとしていられないので、血圧を測るのも大変だったけど。

看護師さんは写真を撮って送信し、お医者さんはそれ見ながら電話で相談し、処方箋を書いてくれた。薬局が閉まるギリギリの時間だったけど間にあった。

処方された薬がきいたのか、それとも安心したせいか。真っ赤だったじんましんは徐々に色がうすれ、引いている気がする。

・・・たかが、じんましん。
放っておいても時間が経てば治ったかもしれない。大げさだったかもしれない。でもそのつらさが分かるだけに、転げ回って痒がる母を、私は放っておけなかった。

夜10時現在、母はぐっすり眠っている。

本日の猫写真。

シシィさんの瞳。よく見えてます。さっきもサンジ兄ちゃんのゲロを発見して、教えてくれました。ありがとう。

コメント

  1. 花粉症ではないですが、ワタシも痒がりなので「たかが〜」とか「くらいで〜」とか「我慢して〜」と言われると地味に殺意湧きます(笑)

    うちも婆さまがデイのお風呂で首から胸まで初赤が出たことがあり、連絡帳にも送迎スタッフからも至急受診を!と言われ、見ると確かにうわっという状態だったので、訪問お願いしてる内科医ドクターに外来終わってから往診してもらったことがありますが、

    その時は周囲がびっくりして騒いでるのに、当の本人が全然痒がりも痛がりもしていなかったので、原因も分からず、本人が痒がってないなら様子見で〜となり、結局翌朝何事もなく治りました。

    蕁麻疹って直ぐに原因分からないですよね。
    接触性なのか、内臓からなのか。
    でも、お母様の場合はご本人が一番痒くお辛かったでしょうから、お薬処方してもらえて本当に良かったです。

    • 殺意湧かしてすみません(笑)
      私自身がアトピーでさんざん痒い目をみており、蕁麻疹は季節ごとにやってくる行事みたいなものという感覚だったんです。
      時間が経てば治るであろう症状に訪看さんを呼ぶことに躊躇っているうちに喉まで上がってきたので焦りました。
      訪問のドクターってまだ慣れないので皮膚科なのにみてもらえるのかな?とかも考えちゃいました。
      そしたら
      「土日でも夜中でもどんどん呼んでや!」
      って言われました。

      痒くないのに腫れるってそっちのほうが怖いですね。何事もなくてよかったです。
      おっしゃるように蕁麻疹の原因は分かりづらいものですから、落ち着いたら検査をするかもです。

  2. もしかして、ぐらいなので参考まで
    私は繊維アレルギーがあるようで、下着の化繊やアクリル?
    などで、背中中に湿疹が出た事があります。
    痒くて痒くてじっとしていられないぐらい
    もし、新しい下着等の利用がありましたら1度調べて見て下さいね
    新しいのは一度洗ってから使うとか(ついている糊とかでも痒い時あります)
    私には花粉症も犬猫アレルギーも他のアレルギーも全くないのに、接触アレルギーなのか?
    繊維でそうなった事がありました。

    • ありがとうございます。
      服も下着もついでに食べ物も、今まで通り何も変えていないのですよ…先週買った新しいパンツも小さかったからはけず(笑)。
      もともと肌は強くないし、乾燥肌を掻いたことが原因かもしれません。
      それもはっきりしたことは検査とかしなくちゃ分からないのでしょう。
      私自身はいーっぱいアレルギーがありますから、母も何かあるのかもしれません。
      アレルギーってある日突然出たりするんですよね?難儀なものです。