我が家には悪魔が棲んでいる。住処は2階のトイレである。かつては私も日常的に使うごく普通のトイレだったのに、今ではとてもじゃないが近づけない悪魔の巣だ。
どうしてこんなことになったかと言えば・・・
話は5年前に遡る。
母が病気に倒れ、私は大忙しになった。寝る暇もないのに家事なんか、掃除なんかしてる暇はぜんぜんなかった。在宅介護が始まるとまた忙しない。母と自分がつかう範囲だけはきれいにしておくが、2階には上がることもないので完全に放置状態だった。
誰も使わないのならそれでもよかった。
だが2階にはただ一人、住人がいた。
オヤジである。
私は忙しいから自分で使うトイレは自分で掃除してね、というと
「うん、わかった」
とオヤジは答えた。
わかっているはずがない。オヤジの辞書には掃除とか片付けとか清潔なんて言葉は載っていないのだから。
オヤジ一人が使うだけのトイレだが、まったく掃除をしないわけだから。汚れが積もっ積もって積もって。気がついたときには・・・私が久しぶりに2階にあがったときには、悪夢のような汚れっぷりであった。
もうね。
ものすごい臭い!くさい!
「え? そう?」
オヤジはキョトンとしている。
「汚いよ!入ったら死ぬ呪いのトイレみたいになってるよ!」
「へえー気づかなかった」
オヤジの不潔耐性ハンパないな。
そのあと妹が命がけで掃除してくれたり、私も何度か挑戦したのだけれど。どんなにピカピカに磨こうが消臭剤を振りまくろうが、壁のシミと臭いだけはどうしても落ちなかった。まるで我が家に根を下ろした呪いのように。
私は挫折しそうになった。
この臭いは一生取れないのか?
ずぼらが生み出した悪魔には勝てないのか?
いや、そんなことはないはずだ。
今朝、突然に思い立った。
「壁紙を剥がそう!」
悪魔に立ち向かうのだ!
思い立ったらすぐ実行が信条だ。
朝食後、マスクをして2階のトイレに行くと、カッターで切り込みを入れてバリバリと壁紙を剥がしてやった。気持ちいいー!
それからニトリに行ってシールみたいな簡単な壁紙を買った。
壁紙を貼るのは生まれて初めてだが、まあ、やってみたらいけるやろ!
・・・見事に失敗した。
シワシワになっちゃった。
まあ、いいか!
ついでに床もやってしまおう。勢いづいてコーナンへ行き、クッションフロアシートを2mほど買う。てきとうに切って、てきとうに敷いた。これまた角のあたりがヨレたけど、気にしなーい!
最後にペンキでドアの木枠を塗りなおした。あちこち飛び散って自分もペンキだらけになってたけど、まあ、いつか取れるやろ。知らんけど。
いいのだ、シワシワでも。ヨレヨレでも。ペンキだらけでも。
ぜんぜんお洒落じゃなくっても。
なんでもいいのだ。
とにかく臭いが取れたから!
人間のトイレに近づいたぞー!
これからは私もこのトイレを使うようにして、こまめに掃除をしよう。悪魔が戻ってこないように…
本日の猫写真。
私がトイレをいじっている時、1回だけ邪魔しに来たシシィさん。
シシィの偉いところは、
「今はダメだよ」
っていわれると
「ダメなのかー」
と素直にあきらめるところ。
廊下にちょこんと座って、作業をじーっと見てました。賢い。
コメント
凄い!!!
偉い!!!!!
お疲れ様でした!!!!
褒めていただけて嬉しい!
ありがとうございます!
これでやっと報われましたー!
その行動力、その体力、
その家事力、その明るさと気立ての良さ・・。
だださん、いっそ私の嫁になってくれませんか?
(当方同年代のオバチャンですが)
なにをなにを、私の方こそお嫁さんがほしいくらいですよ・・・
料理と裁縫なんにもできないんですよ・・・。
そして今朝は腰痛。
昨日の頑張りが祟りました。
URさんもお気をつけて!