私は本が好きだ。物語が好きで、基本的にストーリーのある本しか読まない。
ミステリーとかホラーとか。
ファンタジーとか時代ものとか。
だが一つ困ったことがある。
本を読み始めると他のことが疎かになってしまうのだ。
物語の世界は楽しいから、本を閉じるのが嫌になる。現実に戻るのが嫌になる。そしてつい、現実世界のことを忘れてしまう。あまりにも夢中になりすぎると、本から出られなくなって、現実逃避してしまう。
それが嫌だから、最近はあまり読まないように気をつけていたのだ。
読んじゃダメ。
夢中になったらダメ。
そんな時間があったら部屋を片付けなくっちゃ。仕事もしなくっちゃ。睡眠をとらなくちゃ。
自分に言い聞かせていたのに。
自制していたのに。
ついうっかり、読んじゃった。
本を開いてしまった。
「はっ!」
と気がついたら、昼が夜になっていた。
母のトイレの時間はとっくに過ぎている!
「おかあさん、ほったらかしでゴメン」
慌てて母の部屋へ駆けつけると・・・
「いいよ。いつまでもほったらかしといて」
顔もあげずに母は言った。
母もまた、本に夢中になっていたからだ。
まあ似たもの親子ってことか。
(もちろん洪水になってたけど、2人ともぜんぜん気にしない。)
ちなみに母が読んでいたのは、江戸川乱歩。
少年探偵団が可愛らしくて好きなんだって。
一方、私が読んでいたのは、無人島のサバイバルもの。
『十五少年漂流記』の明治時代バージョンみたいな話。
ただ、私がこれまでに読んだなかで一番タフな人たちだった。木すら生えない島なのに、何から何まで自分で作る。ほぼTOKYOである。リアルDASH島である。しかもぜんぜん深刻にならない。アザラシをペットにして可愛がってる。
「こんなポジティブな漂流記、ありえん!」
と笑いながら読んでいたところ、まさかの実話だという。すごすぎてウケる。
やらなくちゃいけないことは、たくさんある。
たくさんあるんだけど……やっぱり、本は楽しい。
次は何を読もうかな。
コメント
少年探偵団シリーズ! 全巻買ってもらうほど大好きでした!
だいぶ大人になってから、毎月一冊ずつそろえたのはあるセーヌ・ルパンの完訳版の全集で、これもなかなか夢中になりました。
異常な暑さが続く夏なので、引きこもって本を読むことが多いです。
ほんとに何もかも忘れてしまい没頭してしまうんですよね。
今月は、戦争や、原爆に関するものばかり読んでいて、さすがにしんどくなり、
趣向を変えてお料理に関するエッセイなど読んでいます。
ものすごく古い本で(暮しの手帖で連載されたのは1963年だそうです)
「巴里の空の下オムレツのにおいは流れる」(石井好子著)は、
文字だけの本で写真の一枚もないエッセイなんですが、
行間から漂う匂いと、石井さんが暮していたパリのアパルトマンのようす、
お料理したり召し上がっている場面が目に浮かんで、
悶絶するほどおいしそうな空気が漂ってくる本でした。
すごーい!全巻ですか!
20巻以上あるんでしたっけ?
私はアルセーヌ・ルパンも好きで読んでした。お洒落で小粋でかっこいいルパン。
もちろんシャーロック・ホームズも。
図書館が近所になかったので学校にある本だけでしたけど。
昔の小説って雰囲気があっていいですよね。
そういえばこのあいだ読んだ無人島の物語も書かれたのは戦前でした。
「巴里の空の下オムレツのにおいは流れる」、いいですね。
おいしそうな描写って大好きです。
実際には食べられないのが残念ですが…
今頃誤変換に気が付きました。
アルセーヌ・ルパン全集です。
これは全25巻で、実家を引き払うときにもってきた蔵書の一部です。
(マンションの部屋には収まりきらず、とうとうレンタルルームを借りるほど
蔵書が多いんです。楠さんも相当読むので)
小学校で少年探偵団シリーズ、高学年になるとルパン、
中学に入るとハヤカワミステリ、漫画と乱読になりました。
古典も中学生のころから読み始め、学校図書室には本当にお世話になったものです。
うっわー、Sisiyさん、すごい読書家ですね!
蔵書!
という言葉の響きがすごい、かっこいい。
しかもレンタルルームって!
レコードのコレクションも含めて、素晴らしい趣味ですね!
うちは祖父が書店をやっていたこともあって家中が本だらけでした。
その遺品整理に10年かかったトラウマで、私は本が買えなくなりましたが(笑)
子供の頃の読書体験は宝物ですよね。