言葉という凶器

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認知症の家族を在宅介護しているお嫁さんと話していると、さりげなく
「このひと邪魔やわ」
と笑って言った。
「お義母さんが邪魔やから何もでけへんねん」
本気ではない。きっつい冗談である。その人がすごく頑張っていて、思いやりのある介護者であることは周知の事実だ。本気で仲が悪かったら、さすがに言えないのじゃないだろうか・・・本人の前で。

当のおばあちゃんは耳が遠いからキツい言葉は聞こえていない。また嫁がボヤいてるな、とは感づいているかもしれないが・・・それにしても邪魔はキツい言葉だなと思った。

(人間どもを見下ろすシシィさん。コワイ)

言葉は力をもつものだ。魔法であり、呪いでもある。良い言葉でも悪い言葉でも、ひとに向けて放った言葉はいつか自分にはね返ってくる。さりげない言葉でも冗談のつもりでも、毒の刃はいつか自分を傷つける。私も気をつけようと思った。