2016年9月。ちょうど一年前、私は迷っていた。悩んでいた。どの仕事に就こうかと。3つほど選択肢があったのだが、どれを選ぶべきか、どうやって介護と両立すればいいのか悩んでいた。
そんなときたまたま、テレビでリオ・パラリンピックの開会式の中継を見た。
雨が降っていて滑ったのだろう、四点杖の聖火ランナーが転倒した。慌ててスタッフが駆け寄ると、彼女は笑顔で立ち上がった。観客は総立ちになった。
最後の聖火ランナーは車椅子の男性だった。車椅子の前に大きな階段が立ちはだかる。どうやって上るのだろうと思っていたら、階段がするすると動いて中からスロープが現れた。バリアフリーというやつだ。
だが「バリアフリー」の現実は甘くない。強い雨の中、車椅子で坂道を上るのは、かなり大変なことなのだ。車椅子の男性はそれでも力強くスロープを上っていき、頂上でついに聖火を点灯する。
(四点杖のランナーの場面から。スロープが出てくるのは、3:49:41くらい)
私はこの映像を見て奮い立った。障害のあるなしではない。頑張る人は美しいのだ。私もこうありたい。雨の中、坂道を上りたい。もっと真面目に、もっと必死に、もっと一生懸命に生きたい。
ぐだぐだ迷ってる場合じゃねぇ!
今すぐやるべきことをやれ!
それですぐさま、開会式が終わらないうちに電話をかけた。
「そちらで働かせて頂きたいのですが、現在、募集はしておられますか?」
その日のうちに面接を受けて訪問介護の仕事に就くことが決まった。
あれから一年。
訪問とデイで週5日、ぼちぼち働いている。
自分ではまあまあ頑張ってるつもりだけど。
いろいろチャレンジもしてきたつもりだけど。
・・・どうなんかな。
動いてるわりに太ったしな。
そのわりに収入は少ないしな。
なんとかしてもっと働かなくちゃいけないと思う。
でも無理は禁物だ。
私の坂道はすごく長いから。
ゆっくりゆっくり、迷いながら、寄り道しながら、そして楽しみながらのぼっていきたいと思う。
皆様、これからも応援よろしくお願いします!
コメント
人の一生は
重荷を負うて、遠き道を行くがごとし
急ぐべからず
不自由を、常と思えば不足なし
心に望みおこらば、困窮したる時を思い出すべし
堪忍は、無事のいしずえ
怒りは、敵と思え
勝つことばかりを知って、負くることを知らざれば、
害、其の身に到る
己を責めて、人を責めるな
及ばざるは、過ぎたるに優れり
さすが、ホトトギスが鳴くまでひたすら待ち続ける武将はわかってますなー。
ワタシ、陰(ブログ)で不平不満しか吐いてませんが。
坂道は長いですよね。
上ったり下ったり、泥濘んでたり、アイスバーンだったり。
近道しようとしたら断崖だったり(笑)、焦らず行くのが肝心ですね。
おお、家康さんですか。
さすがに渋くて重々しいですねー。
人生長ーい坂道ですもんね。
ほぼ山登りですよね。
景色でも眺めながら、のんびり楽しく参りましょう。
滑落しないように気をつけながら…
ちなみに私は
「鳴かぬなら野に放しちゃえホトトギス」
です。
リオ・パラリンピックの映像、ありがとうございます。
実は、私、昨年末、13年間自宅で介護していた母を見送りました。
長いこと、母中心の生活を送っていたため、
残りの人生をどう生きたらいいのか、迷っていました。
母が私のために残してくれた時間です。
私もだださんを見習って、一生懸命坂道を登ってみます。
息切れしちゃったら、愚痴を書き込みに決ま~す。
サンちゃん、元気そうでよかった。
>でも無理は禁物だ。
是非、これを左右の銘のひとつにして頂たい
です。
お願いします。
入力ミスしてしまいました。
肝心のところで。
左右 → 座右
ああ、恥ずかしい。