訪問介護の仕事を始めるとき上司に釘を刺された。
「利用者さんにプライベートなことを訊かれても答えてはいけません」
と。
「ヘルパーさんはどこに住んでるの?」
「家族は何人?」
そういう質問はうまく交わしてできるだけ個人情報を漏らさないように。なぜなら、利用者さんがヘルパーに対して個別な感情(偏見なども含め)を持ってしまったら困るし、ヘルパーは利用者さんと個人的な付き合いをしてはいけないから…という理由だったと思う。
でもなー。
人間どうしだからなー。
私は子供の頃、妹のヘルパーさんが家に来るのがキライだった。
どんな人かわからないのに家に入って来られるのが気持ち悪かった。
慣れたら平気だけど慣れるまでに時間がかかるのだ。
口には出さなくても、訪問介護に抵抗を感じる人は多いはずだ。
自宅というプライベート空間に入ってくることを許すのだから。
トイレや入浴介助までしてもらうのだから。
相手がどんな人なのか、ちょっとでも知っておきたい。知って安心したい、と思うのはごく自然なこと、本能的なことではないだろうか。
「そんなことお話しなくても仕事で信用して頂けるようになりなさい」
って言われるけど、利用者側の気持ちとしては、なんか違うと思うんだよ。
そして私はお喋りだ。
とっても頭が軽いのだ。
訊かれたらホイホイ答えちゃう。
「答えたらダメ」
って頭ではわかってるんだけど、誤魔化すのってほんとに難しい!
また喋っちゃったよ・・・といつも一人反省会してる。
「ま、いっか!」
してない。
ところが、ある事件をきっかけに私は少し慎重になった。
利用者さんから
「あなたご主人は?」
と訊かれたので
「残念ながら独身なんスよ」
なーんて軽く答えてしまったのだ。ウソつくわけにもいかないでしょ?
そしたら
「まあ! それは大変!」
翌週なんと見合い話を持ってこられちゃった。
お断わりするのがまた申し訳なくて、一瞬このまま玉の輿のっちゃおうかと思った。
嗚呼、上司の言葉は正しかったのだ。
「プライベートなことを話してうまくいく場合もあるが、いかない場合のほうが多い。気をつけなさい」
ちなみに現在では「独身です」って答えたあとに必ず
「死にかけの大金持ちがいたら紹介してください」
と付け加えることにしています。
本日の猫写真。
「パソコンなんかよりも私を見なさい。
そんな動画よりも私のほうが美しい」
と、言ってるかもしれないシシィさん。
ほんとはゴハンが欲しいだけ。
コメント
だださん、こんばんはー!
こらこら、後妻業じゃないんだから(笑)
というか、冗談が通じない人もたくさんいるので、「死にかけの~」はマズくないですか?
それこそクレームきそう・・・
んーでも誰かいい人いませんかねって言ったわけでもないのに、紹介かあ。
・・・ってあなた、「残念ながら」とか言うからでしょっ!!
確かに、どういう人か分からないのに家にあげるっていうのは気持ち悪いですね。
訪問リハの先生とか、何でもしゃべってくれるけどなぁ・・・
お宅によって、丁寧語じゃなくてタメ口で喋ってほしいと言われたりするらしいし、
ほんまに、加減が難しいですね~。
ふふふ、もちろん冗談が通じる方限定で言ってますよー。
大抵は
「そんな人おったらウチが再婚するわっ!」
と返してきます。関西人ですからね。
>・・・ってあなた、「残念ながら」とか言うからでしょっ!!
あ、そっか!(笑)
その方はとってもとっても親切で良い方なんで同情してくださったのですね(笑)
>お宅によって、丁寧語じゃなくてタメ口で喋ってほしいと言われたりするらしいし、
わあ、そんなことあるんですか!
それはそれで難しそう。
本当に皆さん人それぞれですね。