これまでのこと(2)

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うちの両親はそろって血管性認知症です。母は車椅子のってる要介護4。対するオヤジは、多点杖をつき、えっちらおっちら歩ける要介護2。要介護2と4の両親。介護度だけなら要介護4のほうが大変・・・のはず。

ところが在宅介護経験者にはよく知られているとおり、4の母より2のオヤジほう手がかかりました。なぜなら「中途半端に歩けるから」です。えっちらおっちら自力で歩く。ふらふらしつつもトイレに行ける。するとどうなるか?

トイレが地獄と化すのです。

オヤジのトイレ問題

これをトイレ問題と書いて良いのかどうか。
便器はあまり使えてないのですよ。
トイレに続く廊下からオヤジの部屋までがもう、びっちょびちょ!
「トイレに行こう」
「歩いていこう」
「あ、間に合わない!」
でそのへんでやっちゃったり、パンツ脱いで出しながら歩いたり、するわけです。

ポータブルは本人が断固拒否でしたが、尿瓶もバケツも使えないので、たとえポータブルを設置したところで使えなかったでしょう。

紙パンツは数年前からはいています。
が、パンツなんて普通にぬぎます。
テープ式は破ります。パットは取ります。
たとえ脱がなくても横からはみ出してきます。
紙パンツは乾いているのに、ズボンと床と布団がぜんぶびちょびちょになるのです。
常に全裸とかわらない。

何か月にもわたって定時誘導もしていました。
が、だんだん拒否するようになりました。
夜中のトイレ介助で私も体をこわしました。

以前は6時起床でしたが、オヤジの部屋からじょぼじょぼと水音が聞こえて目が覚める、なんてことが増えてきたため、毎朝5時半に
「お父さんトイレいこ!」
と起こすようにしていました。
日曜の朝くらい7時まで寝たいなあ、思っていましたが叶わぬ夢。
それでも無事に済むのは3回に1回くらいでした。
毎朝、起きたらすでに廊下は黄色いのです。
廊下だけじゃありません。
布団が全部ぬれています。
吸水シーツが2枚ともはがされ、シーツも布団もぐっしょぐしょ。
敷布団はもちろん、掛け布団まで!
毛布まで!
なぜか枕まで!
一式まるっとびっちょびちょー!
ベッドの上でパンツ脱いで放水したとしか思えない惨状。

そういうことが、普通にありました。
「いらない布団をあげようか?」
とのお声がけもいただきましたが、一度や二度ならともかく、頻繁にあるのでいちいち布団を替えていたらゴミが増えるだけです。敷布団はあきらめて布団乾燥機で済ませていました。

幸い、浣腸のお世話になっていたため大きいほうの被害は少なかったです。するときはトイレの蓋の上でしていました。そしてもう一つ幸いなことに、私は介護しすぎて嗅覚が死んでいます。臭いの酷さはよく知りません。

転倒問題

高齢者に転倒はつきもの。オヤジは杖をつかってもふらふらしている…というか、杖の使い方もよくわかっていません。おかげでよく転んでいました。

転び方はいつも仰向け。尻もちをついてひっくりかえるので大怪我には至りません。自力では起き上がれないので、ひっくり返ったカメムシみたいに手足をバタバタさせています。深夜や早朝にどしーん!という音で目が覚めるのもしょっちゅうでした。また、庭にでていってひとりで転んだり、雨の中で転がっていたり。
「おとうさんが、ころがってる」
と猫が知らせてくれたことも何度かありました。

オヤジの体重は70キロを超え、身長も私より高いです。体は固く、動画で見るような態勢にはなれません。転倒すると起こすのに一苦労でした。おかげで私は仕事に遅れそうになったり、腰痛になることもしばしばでした。

これが要介護4なら、車椅子なら、完全に介護者のペースでトイレに連れていけるし、勝手にどこかに行っちゃうこともありません。オヤジはまだ要介護2で歩けるから、中途半端に動けるから、かえって面倒くさいことになるのです。

コメント

  1. だださん。久しぶりの更新、有り難うございます。更新がなかったので、ご両親の介護に時間を取られて大変なのだろうと心配していました。2回の更新を読ませていただき、心身共に疲労困憊されているのだと実感しました。お体が心配です。いつまでも次回の更新をお待ちしています。

    • ありがとうございます!相変わらず反応が遅くてごめんなさい。
      介護=仕事だから、ちょっとでも時間があれば介護から離れたくて・・・できる限りさぼっておりました。
      また気が向いたら更新という形で続けていきますのでぼちぼちお待ちくださいませ~!

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