「出席したい」

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一通のハガキが届いた。

『KY会 開催のおしらせ』

KY会は、オヤジが定年まで勤め上げた会社のOB会。
同窓会みたいなものだろう。
出欠の連絡を乞うハガキだった。
オヤジは目を輝かせて
「いく!」
と答えた。

だが問い合わせてみると「エレベーターがない」とのこと。
会場のレストランまでは階段をあがる。
2階まで?の階段を。
「うーん」
うなってしまった。

これが母なら、即、却下できる。車いすで階段はムリ!
ところがオヤジは微妙である。
普段は多点杖でえっちらおっちら歩いている。
頑張ったら階段も上れるかもしれない。
が、とにかく調子の良し悪しの波が大きいのである。
日によってはフラついたり、突然、歩けなくなっちゃうこともあるのだ。

出席することは一か八かの賭けだ。
まわりに迷惑をかけてしまうだろう。
トイレだって失敗しちゃうかもしれない。
それでも・・・オヤジは目をキラキラさせているから。

「KY会にむけてリハビリするで」
そう言ったらオヤジは半笑いで
「うん」
とうなずいた。
よし、言質とった!

お楽しみが待っていると思うと、ただそれだけで毎日が色鮮やかになる。
それに高齢者は、昔の仲間に囲まれると若返るものだから。
母がそうであったように、オヤジも本番はシャキッ!として、
「ほんとに要介護?」
と訝しがられるくらいになるかもしれない。

返信ハガキは自分で書くようにとオヤジに言ったら、わりとめちゃくちゃ書いてしまって、修正に苦労をした。
近況の欄は、下書きをしたり漢字を調べたりして2時間ほどかけて書いた。
『毎日、ディサービスに、かよっています』
高次脳に負けずよく頑張った。

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まあ、なんとか読めるやろ。たぶん。

KY会は12月初旬。
あと1か月あるから、なんとか頑張れ!

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