病室から花火が見えた夜（1）

オヤジが脳梗塞を発症して約１ヶ月がたつ。入院先の病院からは何の連絡もなくちょっとやきもきしていたところ、ようやく進展があった。

長いので分けて投稿していく。
病院の待ち時間にポメラで書いて投稿しているため読みにくかったらすみません。

まず脳梗塞は再発していない、今のところ落ち着いているといわれた。が、
「はっきり言います。今のままだとお家へ帰ることは絶対不可能です」
大きいし肥えているオヤジが完全に寝たきりなので介助量がハンパないのだと。

「排便時の清拭は２人がかり、車椅子への移乗には３人がかり」

と言われて目を剥いた。３人介助って聞いたことないんですけど！それでも

「家ならまずリフトだな」

と考える私はとことん在宅介護脳なのだろう。でっかいオヤジを寝返りさせるマシンも必要かもしれない。いやいや個人では、しかもワンオペではまずムリである。

まずはオヤジがごはんを食べないことについて。STさんは「嚥下能力敵には食べられるはずです」と言うのでオヤジがわがままを言っているだけかと思ったが、それだけではなかった。オヤジが好き嫌いを言っているうちに「あまりにも食べないから」と鼻管栄養をされてしまったのだ。

・・・ちょっと待て。鼻にチューブを通された状態でご飯を食べられるだろうか？飲み込みにくいだろうし、むしろ誤嚥する。味だって変わるだろう。食べにくいにきまっている。そのうえ

「ここの病院食はすっっごくマズいんです！」

と力説したのは他でもない担当医の先生である。

「いろんな病院を見てきましたけど、ほんとにもう、ここのご飯は最低です。私苦情入れたことだってありますから。ゴボウと人参ばっかり出すなと。おまえら自分で食べたことあるのかと。ほんっとにほんっとにほんっとに、マズいんですよ！」

笑えるくらい力いっぱい病院食のマズさを伝えてくれたその口で
「でも食べて」
って言われてもさあ。

鼻管栄養を抜いたら食べられるかもしれない。食事のときだけ抜いたりできないものなんですかと尋ねると「できるスキル持った人が少ないからムリ」
って言われました。

「薬を飲めるようになれば鼻管は抜けます」
だから、鼻管はずしたら飲めると思うんですが。
「飲めなければ抜けません」
抜かないと飲めないのに、と抜けないだと？矛盾が堂々巡りしているぞ！？卵が先かヒヨコが先かみたいになってるぞ！？

「なにしろ食べられたらいいのです。嚥下に問題はないのですから、マズい病院食のかわりに食べものを持ってきてもらってもいいですよ。すきやきでもハンバーガーでも食べたいものをどうぞ」
看護師さんの目が泳いだのを私は見た。

あとでこっそり看護師さんと相談すると、プリンとか卵豆腐とかせいぜいカレーなら持ってきていいと言われた。そりゃそうだよね。食介する身からすれば「もし事故ったら」って思うもん。いきなりハンバーガーはないわ。