母がデイサービスのバスで帰宅したとき、職員さんが
「フィギュア見れましたよ」
と教えてくださった。
北京オリンピックのフィギュアスケート・男子シングルのフリー。
４回転半に挑む羽生結弦選手の出番を母は待ち焦がれていたのだ。
朝、今日はデイサービスに行くだと告げると、ちょっと残念そうな顔をしたが、
「いいもん、デイにはテレビがあるから『みんなで羽生くんを応援しよう』って誘ってみるわ」
と出かけていった。
そして帰ってくれば意気揚々。
「結果は残念だったけどねえ、すごい綺麗だったよ！」
と教えてくれた。
「みーんなでテレビ見てわあわあ応援したの。楽しかった！」
家で１人で見るよりもデイのほうが盛り上がって良かったのだろう。
「でもね、大変だったの」
母は笑いながら続ける。
「トイレもお風呂も、羽生くんの出番までに済ませておかなくちゃいけないでしょ。だから職員さんも気を遣って
『今のうちに行きましょう！』『今だったら間に合うから！』
って大急ぎだった」
えええ・・・。
職員の皆様、大変ご迷惑をおかけしました・・・。
母は３か所のデイサービスに通っているが、そのうちの２か所がコロナのために休業中だ。
唯一生き残っているのは地域密着型、小規模のデイだ。
ここだけはなんとか無事で頑張ってほしいと願う。
もちろんうちの職場のデイも無事で生き残りますように！
なんなのその手は
休業になったデイの職員さんが
「買い物しか行かない生活をずっと続けて頑張ってきたのに」
と嘆いていたと聞く。
休業の連絡時はみんな謝りっぱなしだし、コロナから復帰した後、お詫びしまくってる職員もいた。
誰も悪いことをしたわけじゃない。
罹りたくて罹ったわけじゃないし、休業したくてするんじゃない。
もちろんマスクも消毒も欠かさず予防しまくっていることはみんな知ってる。
仕方のないことだったんだ。
だから謝らなくていいと私は思う。
頑張れ、デイサービス。
頑張ろう、デイサービス。
