ドラマでみるヤングケアラー

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『となりのチカラ』を見た。
お人好しの主人公が、困っているご近所さんを助けようとするドラマだ。
第2話のテーマはヤングケアラーだった。
ネタバレになるので嫌な人はUターンで。

近所に住む高校生の男の子はおばあさんと2人暮らし。
両親はなく、おばあさんは認知症らしい。
あるとき孫の顔もわからなくなり「強盗!」と大騒ぎする。
主人公は高校生の力になりたいと2人を夕飯に招待。
「施設とか調べてみたんだけど」
とパンフレットを並べるが、おばあさんはショックを受けるし、高校生にも
「ほうっておいてください!」
と言われてしまう。

そりゃそうだよなー。
いきなり本人に向かって「施設とか調べた」はないよなー。

とはいえパンフレットはデイサービスのもの。
主人公のチカラ君は「このまま在宅で介護できる道を探そう」というつもりだったんだろう。
でもおばあさんも高校生も
「施設」=「入所」
だと思ったに違いない。
そもそもチカラ君自身がどこまで理解してるかわからないけど。

結果的に彼らは仲直りし、認知症のおばあさんのために家中にメモが貼りつけられ、その中には
「困ったらチカラさんに連絡すること」
というメモもあった。
主人公はあったかい気持ちになり、2人の幸せを願う・・・みたいな結末で。

ねえ、ケアマネは?
ねえ、介護保険サービスは?
これぜんっぜん解決してないよね?

と、思いまくって見ていた人は多いと思う。

認知症は進行する。
メモも読めなくなる日がくるし、すでに失禁だってあるだろう。
1人でやったら壊れてしまう。
「誰にも迷惑かけたくない」
「誰の世話にもなりたくない」
という人に
「介護保険を使いましょう」
と説得するのが、真に必要なご近所さんのチカラではないだろうか。

高校生じゃなくても介護保険を知らない人は多い。
困ってるヤングケアラーを見つけたら、市役所とか地域包括とか近所の事業所とか相談しに連れていってあげてほしいです。

オリンピッックより僕を見てほしいサンジ

ちなみに高校生が
「みんな介護なんかせずにのんきに生活してるのにどうして自分だけ!」
「早く死んでくれないかな、そうしたら解放されるのに!」
と吐いていた。
これはもう、ほんとに介護してるひと全員が一度は思うことじゃないかな。
呪いの言葉は口にはしないけど、そう思うのは自然なことだよ。仕方ない。
その上で、なおも家族を大事に思うだけ。

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