最近、母は足が弱ってきたような気がする。
リハビリを怠っているのと、太ったせいかな。
そう言うと、
「そんなことないよ」
と母は反論する。
でも、最近は立つのも下手になったし、お尻が重くなったでしょ?
よっこらしょー!
どっこいしょー!
って何回も言わないと立ち上がれないでしょ?
「たしかにお尻は重いね。何かがいっぱい入ってるんよ」
・・・うんこやな。
「もっといいものが入ってるといいのにね。金塊とか」
金塊!?
「だってものすごく重いんだもん。立ち上がれないくらい。こんなに重いのは金に違いないよ」
以来、母は『お尻が金でできている説』をすっかり気に入り、立ち上がりに時間がかかると
「今日も金塊が重たい」
などと言いわけするようになった。
「ぎっしり詰まってるのよ!」
・・・うるさいな、そんなええもんがお尻に入ってるわけないやろ。せいぜい、鉛や。
「なまり~?そんなのぜんぜん綺麗じゃない」
母はぷうと膨れた。
だが明くる日。
デイから帰宅した母は、嬉しそうにこう言った。
「あのね!最近は鉛だって貴重なんだよ!よく盗まれるんだって」
誰から聞いたの?
「デイの職員さんが言ってた」
待って、お母さんはデイサービスでも『お尻が金でできている説』をしゃべってるの?
「うん!もちろんよ」
うわあ、恥ずかしい・・・。
アホなこと言ってないで、もっとリハビリしなくちゃね。あと痩せなくちゃね。難しい。
本日の猫写真は太っててもかわいいシシィさん。
家から出られないんじゃ運動不足にもなるよね。