近頃、私は忙しい。
 忙しいったら忙しい。
 仕事も忙しいが、深夜に母がゲーゲー吐いたり、早朝からオヤジがおしっこ撒き散らしながら転んだり。
 不運に不運が重なって。
 体力がゴリゴリ削られていく。
やばい。限界だ。
家事どころじゃない。
 利用者さん宅には週2回もお掃除にいくのに、自分ちの掃除は10日ぶりだったり(オヤジと猫が汚すので拭き掃除はしょっちゅうしてるけど)。
せめて一つでも家事を減らせないだろうか。
 一つだけでも!
それで考えたのが
 「ヘルパーさんにトイレ掃除をしてもらう」
 ことだった。
母には週1回30分だけヘルパーさんに来てもらっている。
 私が仕事で帰れない時間帯にトイレ介助をしてもらうためだ。
訪問介護には、
 ・身体介護(オムツ交換や入浴など)
 ・生活援助(掃除や調理など)
 の2種類がある。
我が家がヘルパーさんに頼んでいるトイレ介助は「身体介護」に当たる。
 「身体」だから、ヘルパーさんは母の身体に関わる仕事しか、してはいけない。
 掃除のような家事はしてもらえない。
だが!
 私は思い出した!
 抜け道があることを!
 身体介護の中に「自立支援」という項目があることを!
身体介護
1-6 自立生活支援・重度化防止のための見守り的援助(自立支援、
ADL・IADL・QOL向上の観点から安全を確保しつつ常時介助
できる状態で行う見守り等) 「老計10号」
つまり。
 普通のトイレ掃除は「生活援助」だが、ヘルパーさんの手を借りて母が自主的にトイレ掃除をすれば、「身体介護」になるわけだ!
母は片手しか動かせないが「自分でできることは自分でやりたい」という人だ。
 トイレ掃除だってずっと自分でやっている。
 「ここは私専用のトイレだから私が掃除をしなくちゃ!」
 と張り切って。
だが、母がトイレ掃除をしようと思ったら、便座を上げたり、掃除道具をとって渡したり、「ここ汚れてるよ」と教えてあげたりしなくちゃいけない。
 これが非常~~に面倒くさい。
自分でやりたいという母の気持ちを尊重し、それをヘルパーさんに手伝ってもらうことは、自立支援の身体介護に当たるのではないだろうか。
幸い、母のトイレ介助はそんなに時間がかからない。
 時間が余って困るといわれたくらいだ。
ヘルパーさんに手伝ってもらって掃除をしてもらえないか、ケアマネさんを通して頼んでみたら、やってくれた。
 帰宅したら母のトイレは綺麗になっていた。
 「ちゃんと掃除しといたよ!」
 母もすごく得意げだった。
 やったー!
 ヘルパーさんありがとー!
少しでも介護が楽になるように。
 少しでも長く続けられるように。
 ほんの少しでも・・・私は、家事を、サボるぞーーー!
 ポテサラなんて作ってられっか!
身体介護の見守り援助(自立支援)は使い方が限られているので、ケアマネさんに教えてもらうなどして調べてみてください。
老計10号には次のような具体例が掲載されています。「一緒に」が大事です。
◯ゴミの分別が分からない利用者と一緒に分別をしてゴミ出しのル
ールを理解してもらう又は思い出してもらうよう援助○認知症の高齢者の方と一緒に冷蔵庫のなかの整理等を行うことに
より、生活歴の喚起を促す。○洗濯物を一緒に干したりたたんだりすることにより自立支援を促
すとともに、転倒予防等のための見守り・声かけを行う。○利用者と一緒に手助けや声かけ及び見守りしながら行うベッドで
のシーツ交換、布団カバーの交換等○利用者と一緒に手助けや声かけ及び見守りしながら行う衣類の整
理・被服の補修○利用者と一緒に手助けや声かけ及び見守りしながら行う調理、配
膳、後片付け(安全確認の声かけ、疲労の確認を含む)○車イス等での移動介助を行って店に行き、本人が自ら品物を選べる
よう援助○上記のほか、安全を確保しつつ常時介助できる状態で行うもの等で
あって、利用者と訪問介護員等がともに日常生活に関する動作を行
うことが、ADL・IADL・QOL向上の観点から、利用者の自
立支援・重度化防止に資するものとしてケアプランに位置付けられ
たもの老計10号
今日はちょっと介護士らしい記事になった?



