私はものすごい不器用者だ。針と糸は天敵で、小学生のときから家庭科の宿題は男子に丸投げしていたし、ボタンをつけようとしたら手が血まみれになるし、はっきりいって玉止めすらできない。だから手芸の得意な人を見るともう
「ほえー!」
と尊敬する。
今日は母と一緒に
「ほえー!」を
百回くらい繰りかえすことになった。
麻痺のある母は食事をどうしてもこぼしてしまう。とくに麺類が苦手。タオルやエプロンをつけても、洗うのが大変だったり、液体だと流れていっちゃったり、なかなか難しい。
そこで介護仲間のmikomanaさんに食事用エプロンを作っていただいだのだが・・・これが「ほえー!」だった。
きれい。むっちゃきれい。超母好み。
そして立体。
エプロンの端をスナップで留めることで、垂れてくる液体を受けることができる。なんなら口からはみ出したうどんとかもここに隠せる。防水がきいた素材で、洗うのも簡単で。
エプロンのカラーは布製で取り外すことができる。そしてこれもめっちゃきれい。レースだよ!
mikomanaさんは一人でご主人の介護をしていらっしゃる。「こうすれば便利だろう」「こんなのがあればいいのに」というご自分の介護体験からうまれた超実用品なのだ。
そんなmikomanaさんがもうひとつ、作ってくださったものがある。
輪っかチーフ(輪になってるハンカチ)だ。
健常者が普通のハンカチを使うとき、どうするだろう? 両手を使うはずだ。片手にハンカチを持って、もう片方の手を拭く。右手を拭いて左手を拭いて。
でも片麻痺の人にはそれができない。片手しか使えないから、広げたり畳んだりに手間がかかり、思うように拭けないし、ハンカチがどうしてもぐちゃぐちゃになる。
ところがハンカチが輪っか(円筒形)になっているだけですごく使いやすくなるのだ。輪っかに手を入れるだけで拭けてしまう。しかもたたみやすい。
シンプルだけど機能的。なかなかすごい発明ではないでしょうか。
こういうものを考えつくアイデアも、実際につくっちゃう器用さも、それから、作ってくださる思いやりも。
「ほえー!」
って百回くらい出てしまいました。
ありがとうございます!