猫は毛布が大好きだ。柔らかくて気持ちがいいんだろう。サンジは、気に入った毛布やクッションを見つけると欠かさずフミフミ、モミモミ・・・両手でこねまわすような動きをする。
が、すべての猫が「フミフミ」をするわけじゃない。
先にいたアジャリはしなかった。
シシィもやらない。
なぜかというと「フミフミ」は、赤ちゃん猫がお母さんのお乳を揉む仕草だからだ。大人になってからも、柔らかい毛布に触れると昔の記憶が蘇って「フミフミ」するのだが、アジャリもシシィも目が開く前に捨てられた猫だ。お乳を揉んだ幸せな記憶がないので、大人になってもフミフミしないのである。
シシィは、サンジが毛布をフミフミする様子をじーっと見ていた。
「何をしてるんだろう?」
と不思議そうな顔で。
「気持ちがいいのかな?」
そして先週。家にきてから3度めの冬を迎えたシシィは、ちょっと、真似してみる気になったらしい。私が寝ている毛布を
「こうかな?」
と踏んでみたのだ。
「こんな感じ?」
それは最初、踏むというより掘る感じだった。犬の穴掘りみたいに荒っぽかった。
でもだんだんと変わってきた。
手の動きがゆっくりになっていった。
徐々にリズムがついてきた。
フーミフーミ。
フーミフーミ。
「できたあ!」
だいぶ独特な感じは否めないが、シシィは意気揚々と毛布を揉みしだいた。赤ちゃん時代の本能がうっすらと残っていたのだろうか。のどをゴロゴロと鳴らし、幸せそうにフミフミしている。
そのあと何度もシシィは毛布をフミフミしている。一度は
「ねえ見て!フミフミできるようになったよ!」
と、わざわざ母の枕元までいって見せていた。
「お母さん猫のことをちょっとくらい思い出したのかねえ」
と母はいうけれど・・・そうなのかな?
私はお母さん猫にはなれないけど、母猫に負けないくらいの安らぎを、元・捨て猫のシシィに与えてあげられたのならいいなあと思った。
コメント
こんばんは。サンジとシシィとっても幸せそうな表情してますね。
先日15年飼っていた愛犬が亡くなりました。うちのワンコは私の太ももや寝ている時の頭をフミフミではなくカキカキしておねだりしてました。ブログみて思い出しました。
どんな時も居てくれるだけで癒されていました。
だださんのようにいっぱい写真撮っておけば良かった。
かわいい写真とりたくてもタイミング悪くていつもブレちゃって晩年はあまり撮っていませんでした。
これからも愛情一杯のサンジとシシィを見せて下さいね
こんばんは。
たまさんのワンコさん、今は虹の橋におられるのですね。
寝ている頭をカキカキ・・・?
ちょっとびっくりしそうですがとっても可愛い仕草ですね!
写真がなくても、心の中にたくさん残っていますよね。
私も昔の、こんなに気楽に撮れなかった時代の猫たちをずっと覚えています。