近所にカフェができると知って誰よりも喜んだのは母だ。
「おいしいコーヒーが飲めるのね!」
今だって近所に店がないわけじゃない。でも母はそこのコーヒーが気に入らないんだって。それに新しい店ができるのはいつだってわくわくする。で今日がオープンだとわかると早速
「行ってみよう!」
ということになり、仕事のあと着替えだけすませて連れていく。
もう日も暮れかけて寒くなってきたけど大丈夫?
「平気!」
いつもはすごく寒がりなのに、楽しみのためなら我慢できる。
私が新しい店を訪れるとき、注目するのは車椅子で入りやすい店かどうかだ。
近頃は飲食店もバリアフリーに気をつかってくれているけれど、片手落ちというか、使いにくいことも多いのだ。どんなに素敵な店だとしても、残念な店だと行くのがめんどくさいと思ってしまう。
たとえば入り口に段差のある店。小洒落た階段をのぼったところに開き戸がついていたりしたらもうお手上げだ。めんどくさすぎて諦めるしかない。
たとえば、入り口や通路が極端に狭い店。お洒落なインテリアが邪魔をしていたりする。車椅子がぶつかって壊してしまいそうで怖い。
たとえばこういう、車椅子が入りづらいテーブルしかないところ。
車椅子のフットレストがテーブルの足にぶつかるんだよね。テーブルが遠いとどうしても食べこぼしが多くなる。フットレストを上げられるときは大丈夫だけど。
ファミレスによくある据え付けのソファも困る。通路が広ければいいけれど、余裕のない店だと邪魔になるから、車椅子が置けない。
まあ心配はいろいろあるんだけど。
幸いなことに今日オープンしたカフェは大丈夫だった。入り口の二重ドアがめんどくさいだけで、段差もなく、通路も広く、カウンターもテーブル席もぜーんぶ車椅子で使えるタイプ。よかったー!
ただね・・・
カフェでよくある、大きなカップ。マグカップよりも幅広のやつ。お洒落デザインなんだけど、両手で持つことを考えてつくられてるんだろう。片麻痺の母が持つとバランスがとれなくて
だいぶ危険。
片手で持てるマグカップを借りようとも思ったが、なにしろ今日がオープンだから店員さんは大忙し。手を煩わせるのも申し訳いので私のコーヒー(普通のマグだった)と交換した。
母はこのカフェをとっても気に入って
「こんどはお父さんとモーニングに来ようね」
と楽しみにしている。
良い店ができて、よかった。
本日の猫写真。
サンジにくっついて眠るシシィ。
冬がくると猫は団子になりたがります。
コメント
僕の母親は身障者で車いすでしたが、けっして車いすに優しい社会ではないですよね( ノД`)シクシク…
でも、いいカフェができてよかったですね♪
そうでしたか。
一昔前に比べればだんだんと優しい社会になりつつあります。
が、すべての人に優しいというのは現実問題不可能ですよね。売上やお洒落感も大事ですし。
お互いに歩み寄っていくしかないと思います。
どんなカフェでも使えるようになれたらいいですね。