これは聞いた話だ。
実母を施設に入れるとき
「私は母の犠牲になりたくない! 介護で人生を無駄にしたくない!」
と言った人がいたそうだ。
どんな人か知らないし、どんな介護をしていたのかも知らない。私が知っていることは、ただ、周囲の人がその発言を不快に感じたということだった。「実の娘なのに酷い」と受け取られたらしい。
私は、その人は正直だと思う。誰だって介護の犠牲になりたくない。好きなように生きていたい。あたりまえのことだ。親の介護が始まって「やったー!」と喜ぶ人なんているわけがない。私だってそうだ。自分の人生を介護の犠牲にしたくない。その人と同じように。
だからこそ。
犠牲になるのではなく。
無駄にするのではなく。
有効活用する方向に進もうと決めた。
私の人生すべてがネタだ。舞台を観れば観劇感想を書き、旅に出れば旅行記を書いた。介護をしなくちゃいけないのなら、介護の文章を書こう。ということで電子書籍を書いたし、内職にもつながったし、今もこのブログを書いている。
書くことがあるって、とても幸せだ。だから私は毎日楽しくやってるし、もしも誰かに
「介護の犠牲になって可哀想!」
なんて言われたら
「失礼なー!」
って怒ると思う。それとも、鼻で笑うかな。
でも、これはあくまでも私のやり方。
介護って、百人いれば百通り、十万人いれば十万通り、家族の数だけみんな違う。介護に対するキャパシティだって個人差がある。それぞれ事情が違うのに
「あの家なんて、もっと大変なのに!」
と比べるのは意味がない。ましてや、すごくしんどいのに
「あの人に比べて頑張りが足りない」
なんて思っちゃいけない。
しんどいときは、しんどいもんだよ。家族にしか分からないことが、いっぱいあるんだよ。しんどいです、もう無理ですって、声に出して言える社会じゃないといけないと思う。
本日の猫写真。
サンジをやっつけて勝利の腹開きをするシシィ。
あんまりいじめないであげて…
コメント
だださん、こんばんはー
うわ、私がシシィさんをシシやんと呼んでしまう理由がこの写真にすべて写っている(笑)
介護はやはり自分の人生の時間を割いている、手間がかかることだと思います。それでも私と母が父を家で看ることを当然のことと思ったのは、今まで父が家族のためにずっと働いてくれたし、私たちの体の具合が悪い時もちゃんと対応してくれたし、家族のために何かすることを面倒がらなかったし頼めば何でもしてくれたからかなぁとも思います。「もしお父さんじゃなくて私が倒れていたとしても、ちゃんと介護してくれたと思う」と母はよく言います。母の父、父からすると義父が末期ガンになったときも、クチばかり上手で夜看る当番もすっぽかすきょうだいもいる中、誰よりもちゃんと看てくれたし、亡くなったとき泣いてくれて嬉しかった、とよく母は言います。介護することになる前の関係性も、介護することになったときの対応に繋がってくるだろうなと思います。父が倒れてから「薬が効きすぎて脳出血を起こしたら10%くらい助からない可能性がある」と言われて辛くて辛くて、父のためならなんでもすると決めましたが、その覚悟に母も少し驚いたようです。「あんたはお父さんとずっと仲良しやったもんな~」と言われて、そやんな~仲悪かったらどうなってたんやろな、と思いました。(笑)でも、仲良しでも家に一人で置いておけないから施設に入ってもらうしかない、という人もたくさんいるんですよねえ。アパート住まいだと改築もできないし、という人も病院で出会いました。だださんがおっしゃる通り、百人いれば百通り、十万人いれば十万通り、みんな違いますよね。「正しい答え」は数学にしか存在しないから数学者になった、みたいなことを秋山仁さんがおっしゃってましたが、本当にそうだなあと思います。まあでも介護すること=犠牲になることとも思いませんし、人生で無駄なことなんて一つもないと思いますけどね~。どう受け取るかは自分次第、ですよね。ちなみに私も、転んでもただは起きぬ、と思っているタイプの人間です。(笑)
こんにちは。
溢れる想いを書いてくださってありがとうございます。
読んでいて、良いお父様なのだなあと思いました。
本当に仲のいい家族でいらっしゃるんですね。
在宅介護において、愛情の深さや、他の家族との関係性ってものすごくものすごく!大きいですよね。
介護を始めてから関係性が変わってしまうことも珍しくありませんし。
本当に人それぞれで比べることはできないものだと思います。
人生に無駄などありませんよね。
今日の自分が明日の自分を作るのですから。
お互い、全ての失敗をも明日への肥やしとしていきましょうー!
ちなみにシシやんは現在、私の足の間に挟まって寝ています。邪魔です。
だださんすみません、追加でー。 私は、実の娘だからとか長男長女だからとか嫁だからとか一緒に住んでいるからいないから等々という理由で介護を「しなければならない」ということは無いと思います。そんな理由で介護するなら、するほうもされるほうも不幸でしかない・・・ですがそんな綺麗ごとで済まない人がたくさんいるんだろうなと思います・・。私はきょうだいはほかにもたくさん(笑)いるのですが、代わってほしいとも思わないし、きょうだいがなにもしないから腹が立つってこともないです。遺産も均等でいいです(笑)。私自身は父の介護をすることで自分が大人になったなあとかスペック上がったよな~とか思いますが、まあでもそんな余裕があるのはシングル介護じゃないからなのかなぁ・・とも思います。父がリハビリデイとかに行ってる間、「自分の時間」があるからですかねえ。でもまだ介護の2年生、11月から3年生なので、考えが甘いのかもしれません。
今でもけっこう耳にしますよね。
「長男だから俺が母さんを引き取る!」
といって嫁に介護を任せる息子とか。
見栄や財産目的とか。
無理な介護はお互い不幸しかないように思えます…。
兄弟間の諍いはもう絶対に無いことを祈ります!
ただ介護って十年二十年と続くものですし、そのあいだに状況はどんどん変わるもの(基本的に悪いほうへ)ですよね。
私もまだまだ経験が浅いですので、いろいろ勉強して将来に備えておきたいと思います。
だださん ご無沙汰しております。
でも毎日拝読しております。
だださんからパワーをもらって何とか頑張れてます。
私はこ久しぶりの、どん底。
いかに逃亡するかを考える日々です。
ダメ親父の介護までもがが見え隠れするようになってきました。
不安で不安で仕方ありません。
今ならまだ間に合うのに親父は私の言うことを聞いてはくれません。
私が仕事から帰ると母のお尻はドロドロ。
可愛そうなことをしてしまっている…。
負のスパイラルが私の思考能力を陰に引き寄せて。
だからと言って遠方に住む弟にはヘルプできません。
と言うか、するだけ面倒臭い。
いっちょ噛まれても私の思考回路がおかしくなる一方で。
「急いては事を仕損じる」をある時期に学んでしまった訳で。
自分がパニックにならないようにどうにかこうにか相手の動きを待つ!に限る。
そんな訳で 変なコメントですみません。
妙な気候で寒くなってきたので皆さまそれぞれにご自愛くださいませ。
tomoさん、こんにちは。
深刻な状況のようにお見受けします。
かなりお疲れのようですが大丈夫ですか。
>私が仕事から帰ると母のお尻はドロドロ。
あああ、ありました我が家も何度か…!
本当に辛いですよね。泣けてきます。
お母様のお体は大丈夫でしたか。
親父って生物はどうして同じことを何度言っても通じないのでしょう。
私はそれでイライラしていた時に
「人は人の思い通りには決して動かないものだ」
と諭されて、オヤジに見てもらうことをあきらめました…。
かといって、
「誰かに来てもらえばいいのに」
ってよく言われるんですが、そう簡単にはいかないのが現実。
ヘルパーさんも時間が合わなかったりしますもんね。
ケアマネさんは今の状況をご存知なのでしょうか。
tomoさんもくれぐれもご自愛くださいね。
すべてが良い方向へと進みますように!