話を聞きたい

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訪問介護をしていたら利用者さんの話がおもしろくて、もっと聞きたいと思うけど仕事しなくちゃだから時間が足りない。
そう言ったら、職場のひとに
「なんでそんなの聞きたいの?」
不思議がられた。
「なんで?」
なんでって!
おもしろい、から、です!

利用者さんに限らない。
私は人の話を聞くことが好きだ。
仕事の話、趣味の話、家族の話、自慢話・・・。
話を聞けば、その人が何が好きで何を大事にしているかがよくわかるから。
自分とは違う世界に生き、違う価値観をもつ人たちの話はいつでもおもしろい。
初めて会った人などは
「この人はどんな方なんだろう、どんな話をしてくれるんだろう」
とわくわくしてしまう。

ときには、私ひとりでこの話を聞くなんてもったいない、と思うことがある。
叶うことなら文章にして残しておきたいと思う。
でもそれは許されないことだったりする。
・・・仕事だからね。
なかなか、もどかしい。

最近、凝っているのは、昔の生活の話を聞くこと。
おばあちゃんたちに子供時代の話を聞くとこんな話が返ってきた。

「自給自足っていうのかね、昔は食べるものはなんでもそのへんで取ってきたよ。
タンポポはお浸しにする。ミツバはおつゆにいれる。ドクダミはお茶にする。
魚は家の前の池でフナをとる。
タニシやサワガニをとるのは子供の仕事。
ザリガニはおいしいんだよ。
食用ガエルなんてもう上等なものだった!皮むいて干してね、焼いて食べることもあった。
それから雨のあとにでてくるカタツムリ。
湯がいて醤油をかけて、中身をほじくりだして食べる。
みかんは皮ごと焼いて食べる。
生ごみは埋めて肥やしにすると、おいしいトマトができるんだよ。
カレンダーも包み紙も、裏の白いものは切ってまとめて帳面のかわりにする。
新聞紙は古くなればなるほど柔らかくなって価値がでる。
使えなくなったものはお風呂の薪にする。
お風呂の水は洗い物につかって、洗い物の水は畑にまく。
昔は洗剤なんて使わなかったからね。

本当に昔は捨てるということがなかったなあ。
今の人はなんでもゴミに出すけどね。
ゴミにこそ価値があるんだよ!
今は物価が高くて大変だっていうけど、その気になればお金がなくても食べてはいけるはずなんだよ」

SDGsとか、かっこいいこと言ってるけど、昔の生活に勝るものはないんだろうと考えてしまった。
・・・私たちの生活は、ほんとに進歩してると言えるのかな?

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