健康診断にひっかかって再検査

健康診断にひっかかった。
生まれて初めてのことだから
「おっ！」
と驚いた。
「いよいよ私もそんなトシになったか！」
といってもコレステロール値とかじゃなくて。
『肺のレントゲンで影が写ったので再検査を受けてください』とのこと。
再検査のために仕事を休ませてくださいと申し出たら
「影なんてきっと見間違いだよお～」
と上司や先輩が笑いとばしてくれた。
私も同感だ。
ぜんぜん心配していない。
むしろ笑いとばしている上司のほうが心配しているように見えた。

ともかく病院へ。
検査を受けるまでに３時間待った。
退屈すぎて頭がぼーっとしていたが、診察してくれるのが院長先生だとわかってまた
「おっ！」
となった。
おじいちゃん院長は難しい顔をした。
「なるほど、たしかに、影が、うつってますね。
念のためにもう１回、レントゲンを撮りなおしましょうか」

そこでレントゲンを撮って。
30分ほどしてまた呼ばれた。
「今日は影はうつりませんでした」
なんと！
影が消えたというのですか？

先生は健診のときのレントゲンと見比べて
「うーん」
とうなった。
「女性の場合はときどきあるんですよ、えっと」
ベテランのおじいちゃん院長が気を遣って言葉を選んでいるのが伝わる。
私も健診のレントゲンを眺めて「うーん」と唸った。
・・・これ、〇首ですね？
と言いかけてやめた。
だっておじいちゃん院長は一生懸命言葉をえらんで、難しい漢字とか医学用語ぽい言葉でやんわりと〇首を表現した。
こんなにいろんな呼び方があるなんて知らなかったよ！
私は笑いをかみ殺しまくっていたが、お世話になりましたと診察室を出たとたんに笑い崩れてしまった。

支払いをすませると午後２時だった。
おなかがぺこぺこ！
おじいちゃん院長もさぞかしお疲れだろう。
大変な仕事だと思った。
ありがとうございました。

サンジおじいちゃんもお疲れ

合計４時間もかかってネタみたいな結果に終わったけど。
実は、大きな収穫があった。
「私、健診にひかっかったんだよ！」
とオヤジに話すことができたからだ。
「人間いつどうなるかわからない。
私が入院しても大丈夫なように我が家も備えなくちゃいけない。
介護してくれる人を増やさなくちゃ。
そのためにお父さん、２か月に１度はショートステイいってくれる？」
「わかった」
ショート嫌いのオヤジが定期的にショートに行くことに同意しました！
やたー！