サンジが脱走する理由

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今日は朝ちょっとだけ仕事があって、そのあとは休み、のはずなんだけど。
やっぱり一日バタバタしていた。
銀行・薬局・市役所へ行って、買い物を済ませ、母にご飯を食べさせて、訪問美容に来てもらって、それから歯医者とケーキ屋さんに・・・ここで、ハタと気づいた。
夕方になってようやく気づいた!
「私、Tシャツを後ろ前に着てる!!!」
最後の動物病院だけ、ちゃんと着ていきましたけども。
遅すぎるわ。
誰かツッコんでぇな。

動物病院にはサンジの薬をもらいに行く。
腎臓病のサンジ。
かなり持ちこたえている方で、今月も体重3.6キロをキープしている。
「調子は良さそうですね」
ええ、毎日元気に遊んでいるし、悪いわけじゃなさそうですが。
「が?」
最近、脱走するんです!
オヤジが認知症でぼんやりしてるもんで、すぐ出しちゃうんです・・・。
でも庭でちょっと遊ぶだけで呼んだらすぐ戻ってくるんですが。

先生は笑った。
笑ってこう言った。

「それなら遊んでるだけです!ゲームしてるんですよ。『この人なら足の間をくぐって出られるだろう』って分かってるから『よっしゃ出てやろう』ってゲームみたいに楽しんでるんでしょう」

悪いにゃんこ

そのとおりすぎて何も言えない。
サンジはオヤジのことをからかっているのだ。
「鬼さんこちら!」
というように。
そして私の顔を見ると
「あ、まずい」
叱られるよりご飯をもらうほうがいいから、すぐに帰ってくる。

元気そうに見えて、いつまで生きられるかもしれない猫である。
もはや閉じ込めておくよりもQOLを大事にしたほうがいいのかもしれない。
・・・庭から出ない限りは。

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