訪問介護の仕事をしていると、一人暮らしのお年寄りが、いっしょに暮らす動物のお世話ができなくなる例をよく目にする。
おしっこの海になっていたり。
部屋のあちこちにウンコが散らばっていたり。
おやつばかり食べさせられて、栄養が足りてなかったり。
病気なのに治療を受けられなかったり。
多頭飼育崩壊の話じゃない。
たった1匹でも、飼い主が認知症だったり体が不自由になると、毛と糞尿で部屋中が悲惨なことになるのを何度も見ている。
犬猫だけじゃない。
鳥でも魚でも。
草花だって同じこと。
「高齢で一人になったら、よっぽどのお金持ち以外は、生き物を飼ったらいけないんだよ」
私よりもっとたくさんの事例を見ている上司が切実に訴える。
「ぜっっったい、可哀想なことになるからね!」
本当にそのとおりだと思う。
・・・本当にそのとおりなんだけど!
高齢で一人になったとき、その寂しさを埋められるのは、やっぱり生き物の温かさではないだろうか。
黙って話を聞いてくれ、いつでも隣にいてくれる。
家に帰れば大喜びで「おかえり!」と出迎えてくれ、夜も一緒に寝てくれる。
「この子のために頑張らなくちゃ」と思える可愛いやつ。
アニマルセラピーなんていうものがあるくらいだし、QOLを上げるならペットが一番だろう。
これからはペット可の施設も増えてくるはずだ。
在宅でも、なにかいい仕組みができればなあ。
無理な話だと分かってはいるけど、私は自分の最期の時に、隣りで猫がゴロゴロいっててくれたらいいなあ、なんて思う。
コメント
はじめまして。
保護犬猫の譲渡条件では、早いとこだと「50歳まで」だったりしますね。それより若くても大病を患ってペットが飼いきれなくなる人もいれば、若くて健康でも状況が変わって犬猫の世話が疎かになったりできなくなったりするので、要はいかにセーフティネットを用意しておけるかが大事なことだと思います。
介護福祉士として働いていた頃、関わった利用者さんを見ていて、やはり高齢になってからの飼育はハードル高いなあとよく思いました。資産だけでなく、更にそのお金を使って動物のことをきちんと面倒見てもらえる人がなくては、後に残されたは悲惨なことになりますよね。
わたしは、死んだ子の遺骨さえ、ちゃんとしなきゃと近頃思います。独居の利用者さんが死んだペットさんの骨壷を大切に祀っていたけど、あの方が家からいなくなった後、多分ご親戚がまとめて業者に片付けさせて「ゴミ」扱いなんだよなあ、と思うと切なくなりました。
悔いなく楽しく、後の始末もすべてきちんとして…というのは難しいですねえ。
はじめまして。
50才ですか~早いですね。
でもそうですね、人生何が起こるかわかりませんし。
私のような独り者にはさらにハードルが上がります。
お世話はお金で買える部分もあるかと思いますが、飼い主なき後となると、なかなか難しいです。
飼い始めるときはそこまで皆さん考えてないみたいで・・・。
>独居の利用者さんが死んだペットさんの骨壷を大切に祀っていたけど、あの方が家からいなくなった後、多分ご親戚がまとめて業者に片付けさせて「ゴミ」扱いなんだよなあ、と思うと切なくなりました。
ありました、ありました。
大事なことは元気なうちに手配しておかないとですね、本当に・・・!
元気なときはどんなにキチンとした方でも、体が動かなくなると自分のことで精一杯ですよね。
独居のペットはなかなか、難しいですねやっぱり・・・。
ペット可の高齢者施設、たまにテレビで紹介されていて、とても幸せそうな笑顔だったが印象に残っています。
前に観たNHKの「人生レシピ」では獣医さんが猫の往診に来てくれていたり…。
だださんが高齢者の枠に該当する頃には、もしかしたら在宅でも何か良いサービスが
うまれているかも…。いやもっと
早くそんなサービスができて欲しいですよね。
今、困られてる方もたくさん居るようですし…。
ペットシッターさんの本、数冊読んだことがあるんですが、ペットシッターや
なにかをヒントにして
近隣でのお助けシステムとか…
考えてみたくなりました。
こんにちは。
大事な家族と離れ離れになるというのは、入所する際のネックになるでしょう。
精神の安定って大事ですから、家族といっしょに入所できるのは家族にとってもありがたいことですね。
在宅でペットのお世話してもらうサービスは、現在では、普通にお金がかかりますよね。
生き物ですから毎日毎日のことなので、ゴミ出しボランティアのようにはいかない気がします。
何かいい仕組みができることを切実に祈っています。