妹の服えらび

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久しぶりに服を買いに行った。
といってもユニクロだけど。
施設で暮らす妹に夏服を送ろうということになって選びにきた。
もちろん母もついてきた。

重い障害のある人の服選びは難しい。
体に負担のないものを選ばなければいけない。
それから、更衣のとき職員さんが着せやすい服じゃないといけない。

寝たきりに近い妹の場合、硬い素材がダメだ。
寝転んだとき、ボタンやファスナーや小さな飾り金具が皮膚にあたり、褥瘡につながるからだ。
継ぎ目があるデニムも着られない。
基本的に、柔らかくてウエストゴムのパンツばかりはいている。

十代の頃はそれがどうしても気の毒に思えて、一度だけジーンズを買ってきたことがある。
「短い時間なら大丈夫でしょ。お出かけの時だけ着ればいいよ」
といってやった。
「お姉ちゃんとおそろいのジーンズだよ!」
妹は顔を輝かせ、足をバタバタさせて喜んだ。
「ジーンズだーーー!」
と、瞳が語っていた。
やっぱり若い女の子だから周りとおんなじ服が着たかったのだ。

「そういうこともあったねえ」
と母は懐かしそうに笑った。
「でもまあ、今はもうオバサンやし、なんでもいいでしょ」
いや・・・なんでもいいことはないでしょ・・・。

結局、それなりに可愛いウエストゴムのパンツを1枚買った。
それからTシャツを1枚。
母はド派手な色や模様の服ばかり買いたがったけど、妹は暗めの色が好みなのでモノトーンにした。
セール品ばっかりで申し訳ないけど。
「おかーさんが選んだって言ったら、U子は喜ぶよ!」
と母が言う。
そうだね。
手紙も一緒に送ろうね。
「U子、どうしてるかなあ。ギャーギャー騒いでるかなあ」
・・・騒いでるだろうね。

頭上ににゃんこ

施設に電話したら「お元気ですよ」って教えてくれたけど。
やっぱり会いたいな。
もう長いこと会ってないもんな。
お互いにワクチンを2回打ったら面会できるのかな。
・・・いつになるかなあ。

コメント

  1. 美味しいものを食べること、好きな色とデザインの服を着ること、生きる喜びと思い、母の介護をしていました。

    • なるほどー、好きな服を着ることは、おいしいものを食べることと同じ生きる喜びなのですね!
      妹が気に入ってくれることを祈ります。