人は変わる

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介護のつらさの一つに
「変わり果てた姿を見るのがつらい」
というものがある。
頼もしかった夫が何もできなくなり、優しかった親が暴言や暴力をふるう。
病気のせいだとわかってはいるけれど、
「昔はあんなに器用だったのに」
「あんなに優しかったのに」
と思い出すたびつらくなる。
大好きな人が自制心を失い、暴力や暴言や犯罪に走るのは本当につらいと思う。

幸い私はそういうショックな経験をしたことはまだない。
もちろん介護が必要になったらみんな変わってしまうけれど、祖母のときはまだ子供だったのでなんの抵抗もなく受け入れた。
祖父がせん妄でむちゃくちゃになったときは
「あの賢くて真面目なおじいちゃんが、人生初のおもしろギャグを連発している!これは笑ってあげなければ!」
と一緒に楽しんだ。
母の場合はだいぶ死にかけてたんで
「生きてればなんでもラッキー!あ、私の顔がわからない?それくらい、べつにええやろ」
とか言っていた。
現在、どんどん何もできなくなっているオヤジも
「どうせ昔から何もできないんだから同じやん」
と思っている。
下の世話に関しては
「高齢になれば普通のこと」
という認識だ。

そしてよく「自分らしく」というけれど、私には「自分らしさ」って何なのか、いまいちわからない。
私は文章を書くことが好きだけど、左脳をやられたら書けなくなるだろう。
本を読むのも好きだけど、視力を失ったら少し難しいだろう。
一人旅が好きだけど、身体がついていかなくなるだろう。

人は変わる。
私もきっと変わっていく。
それが生きていくということだから。
私「らしさ」なんて最初からないのかもしれないとさえ思う。
この先、両親がどんなふうになってもこのまま受け入れていけたらいいなと願う。

本日の猫写真。

落ち着く

母のベッドはシシィさんのお気に入りの場所。
移動式のテーブルの陰に入るのが好き。
ちょっと隠れてる気分になるんだろう。
私の隠れ家は自分の部屋だ。
たまにはプロジェクターで映画を見ながら、ビールとおつまみ。
一人静かに過ごしたいな。