勉強してみる

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ユマニチュード。
パーソン・センタード・ケア。
リアリティ・オリエンテーション。
バリデーション。
これらは主に認知症の方とのコミュニケーション技法や介護方法の種類だ。
カタカタばっかり、いろいろある。

職場で研修会もやったし、本も読んだ。
でも私はまだまだ不勉強なようで、どうしても
「あたりまえのことじゃない?」
と思ってしまう。
たとえばユマニチュードが大事にしていることで
「水平な高さで目を合わせる」
というのがあるが、利用者さんとお話するとき介護職員はみんなしゃがむだろう。
「やさしく身体に触れる」
お話するとき手をにぎったり背中をさすったりするよ?
ざっくり言うとこんな感じで、わりとみんな自然に本能的にやっていることが多い気がする(全部できてるってわけじゃないけど)。
目的を意識して丁寧にやりましょう、ということだろうか。
それとも、忙しいけど頑張ってやりましょう、ということだろうか。

あたりまえのこと。
自然のこと。
そう思ってるけど、家ではできているだろうか?
・・・そこでハタと立ち止まる。

介護職員は、認知症になってからの姿しか知らない。
なんのしがらみも偏見もなく真っ白な状態で利用者さんと接することができる。
目を合わせることもボディタッチもぜんぜん平気。
だって仕事だもん。
だって利用者さんだもん。

だけど家族は違う。
そのひとは認知症の高齢者である前に、父親であり母親なのだ。
バリバリ働いてた過去も知ってるし、いろいろ揉めた過去もある。
家族間の人間関係が、さまざまな感情のやりとりが、蜘蛛の巣のように張り巡らされ、そう簡単に水に流せるものじゃない。
そうなると、なかなか。
仕事では自然に当然にできていたことが、全然できないのである。

私はいつも母の車椅子の脇に立って上からものを言っている。
オヤジと最後に目を合わせてから30年ほど経つと思う。
ボディタッチといえば、そう、去年はオヤジと殴り合いのケンカをしたなあ。

ユマニチュード
パーソン・センタード・ケア。
リアリティ・オリエンテーション。
バリデーション

在宅介護をする家族こそ、勉強してみるのも、いいかもしれない。普通ならできないことや、やりたくないことでも、
「そういう介護テクニックがあるんだ」
と考えることができたら。
「これは病気に対する処置なんだ」
と割り切って実践することができたら・・・。

まあ、十中八九、
「こんなもん、やってられるかー!」
ってなるんだけどね。

ずっとくっついてる

まあ、知識は無いよりあったほうがいい、ってことで。