うちの職場のミー先輩は、だっこ嫌いのにゃんこである。
「この子は抱かせてくれないよー」
とボスも呆れている。
だが私はだっこがしたくて仕方がない。
モフモフして可愛いんだもん!
それでもちょっとずつちょっとずつ、4年がかりで親しくなって。
「だっこしていいですか」
と尋ねても逃げなくなって。
近頃は少しだけ抱かせてくれるようになった。
今日なんかわりとご機嫌で、私の腕の中でゴロゴロいっている。
そのあまりに可愛らしい姿を見てもらいたいくて、思わず縁側から利用者さんに声をかけた。
「ミーちゃん捕獲しましたー!」
「おおお!」
「抱っこされとる!」
「捕獲されとるな!」
デイの利用者さんたちから声があがった。
が、
「私を『捕獲』とはなにごとだーー!」
ミー先輩は激怒した。
「下っ端のくせにいーーー!」
怒って走り去ってしまった。
・・・すみません先輩。
調子にのって言葉のチョイスを間違えました。(すぐ許してもらえました)
利用者さんから昔話を聞き取る企画『さわやか今昔ものがたり』。
今日で20人目の聞き取りだった。
どの方もそれぞれに、さまざまな物語を持っておられるものだ。
苦労のない人生はない
後悔のない人生もない。
そして、喜びのない人生もない。
すべての人の人生はドラマチックだ。
普段の仕事で出会うとき、私たち介護職は利用者さんの今現在の姿しか知らない。
高齢になって弱ってしまった姿。
でもこうやってお話を聞き、お一人お一人の過去に触れることで、お若い頃にどんな青春を送っておられたのか、どんな少女だったのか、どんな苦労や喜びがあったのかを想像することができる。
そうすると・・・私たちの仕事はただの「利用者さん」の介護をするんじゃなく、一人一人、深くて重い歴史をもつ方々と向き合う仕事なのだと、思い知らされる。
出来の悪いヘルパーごときにむかって、一生懸命に語ってくださったお一人お一人の物語を、これからも大事に書き記していこうと思う。
コメント
だださんと同年代の者です。(ただし介護ではなく高齢出産後の育児中)
さわやか今昔物語、拝見しました。とってもおもしろい!
(って言ってしまっていいのか?)
誰の人生にも物語があること、その通りですね。
祖父母にも聞けばよかったのに、自分が子ども過ぎたなあ。せめて親の話を聞けば良いのでしょうけど、距離が近過ぎて照れくさいというか、これも難しい。
大事に少しずつ読ませていただきますね!
初めまして!
さわやか今昔ものがたり、読んでくださってありがとうございます!
テレビに出てくるような派手な話ではありませんが、一市民の歴史というか、皆さん歴史の中を生きてこられたのだなあと思います。
ご家族さんも聞いたことがなかった、と仰る方が多いです。
もみっちさんと同じで、近すぎるとわざわざ話さないのかもしれませんね。
私も祖父の話は聞いたような聞いていないような・・・忘れました(笑)
これからもよろしくお願いしいます!