高齢者とインターネット

80代の利用者さんが
「すまほ、買ってん！」
と見せてくださった。
ピカピカ光る新しいスマホ。
「スマホくらい持っとけ、ってみんなが言うもんやから」
おお、すごいですね。
使えたら便利ですもんね。
「ほんで、楽天ポイントカードを持ってるんだけど、どうやって登録したらいい？」
ポイントの登録はインターネットでやります。
楽天のIDはお持ちですか？
「それなに？」
持ってないですよね。
メールアドレスがあれば登録できるんですけど。
「それなに？」
・・・メールアドレスです。
「アドレス？」
・・・メールが届く・・・住所？
「この家の住所じゃアカンの？」
いや、家じゃなくて、メール。
「メールってなに？」
・・・電子メールですが・・・。
「電子メールってなに？」

そ　こ　か　ら　かーーー！
誰だよスマホをすすめたのはーーーー！

話を聞くと、今まで一度も携帯を持ったことがないという。そんな方がいきなりスマホを持ったのだ。もはや異次元である。

ショップ店員が設定したのだろう、指紋認証まで導入され、ロック解除さえ困難な状態。誰にも電話番号を教えてないし、万が一かかってきても出られないし、電話のかけ方も当然わからない。
「ネットって何？網？かご？ザル？」
とか素できいてくる。家族もなく操作を教えてくれる人もいない。誰だよ、スマホなんかすすめたの・・・。

せめて近くに子や孫がいれば。
若い人がそばにいれば。
違ったかもしれない。
もっと早くから携帯電話に触れていただろうし。

だが独居の方ほど・・・子供がいなかったり、遠方で暮らしている方ほど、デジタルに疎くなっていく。誰にも教えてもらえないからだ。
「デジタルカメラでつまずいてそれっきり駄目」
という方もいた。

「会社に問い合わせたら『WEBに載せていますのでご覧ください』って言われたのよ。うぇぶ、ってどんな雑誌？」

コロナのおかげで世の中はどんどんネット頼みになっていく。私たちには便利だが、孤独な高齢者はどんどん不便になり、取り残されていくのだ。・・・私も頑張ろう！

猫たちは私がスマホをいじってるとヤキモチを焼いて邪魔をしてきます。
「そんなモノばっかり見てないで、私を見てよ！」
「インスタの猫より僕のほうが可愛いよ！」
・・・はい。猫たちが正しいです。