注射いやだー!

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オヤジは注射が嫌いである。
それはもう大ッ嫌いである。
私が子供の頃にも、
「ぎゃー!注射いやだー!」
というオヤジの悲鳴を聞いた覚えがあるし、付き添っていた母が
「恥ずかしい・・・」
とうなだれていた記憶もある。

もちろん、今まで予防接種なんか受けたことがない。
去年も病院まで連れていったのだが
「いや、いいです、いいです、今年はいいです!」
と逃げ出してしまった。
看護師さんがポカンとしていた。

だが今年ばかりはそうはいかない! 訪問医療の先生に来てもらって、インフルエンザの予防接種を受けたのだ。出入り口は一つしかないし、先生は元ラガーマンの大男だし、オヤジに逃げ場はない。
「おれ、注射、弱いねん・・・」
泣きそうになるオヤジ。
「前にうった注射が、痛くて痛くて・・・」
すると看護師さんが、
「今日も痛いよぉ!すっごく痛いよぉ! フフフ~!」
・・・鬼か!
「だって注射だも~ん、痛いにきまってるやん!」
私は爆笑。
オヤジはもう半べそだ。

オヤジは半べそをかきながらも健気に袖をめくりあげ、先生に差し出した。
「さ、叫んじゃうかも」
「ええよー叫んで。そのほうが痛みが和らぐから」
先生は優しくなだめながら、注射をぶっ刺した。
「!!!!」
顔をくちゃくちゃにしかめ、歯をくいしばるオヤジ。きっと2才の頃からこういう顔してたんだろうなあ。赤ちゃんみたいな顔。でも71才のオヤジはなんとか叫ばずに耐えた。
「ハイ終わりー!」
「痛かったねえ」
「よくガマンしたね、アメちゃんあげよか?」
みんなでワイワイ慰めてあげた。
オヤジは涙をこらえながらちょっと拗ねていた。
記憶にある限り初めての予防接種。よく頑張った。

サンジも点滴するときは3人がかりの大騒ぎです

ちなみにオヤジは、お薬も苦いからイヤだって駄々こねるし、ピーマンとお菜っ葉とお魚もキライでぜんぶよけて食べます。困った坊やです。

コメント

  1. 先生も看護師さんも強者ですね(笑) 腕も対応スキルもすごそうです。
    お父様には申し訳ないのですが、思わず笑ってしまいました。だださん、ごめんなさい…。

    • いえいえ、私が一番大笑いしましたので!
      在宅のお医者さんは頼もしいですね。
      なだめ方も煽り方も(笑)ほんとにお上手です。

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