訪問の仕事で95才のおばあちゃんのところに行ったら
「せめて85才に戻りたいなあ」
と嘆いていた。
次に85才のおばあちゃんのところに行ったら
「せめて75才に戻りたいなあ」
と嘆いていた。
2人でまったくおんなじこと言ってるなあと思った。
いくつになってもそう思うものなんだ。
悲しいけれどそれが自然の感情なんだろう。
71才のうちのオヤジなんて毎日毎日「ああ20才に戻りたい」と嘆いている。
「10年前に戻りたい」と嘆いている今日は、未来の自分が「10年前に戻りたい」と願ったその日なんだ。
とか思いながら家に帰ったら、こんな記事に出会った。
上皇后・美智子様の近況を伝える記事だ。
最近は、乳がんご手術後のホルモン療法によると思われる左手指のご不自由がおありで、ご移居後は数人の日本人作曲家の曲目を練習されることを楽しみになさっていらっしゃいましたので、おさびしいことだと思います。今まで出来ていたことを授かっていたこととお思いになるのか、お出来にならないことを「お返しした」と表現され、受け止めていらっしゃるご様子です。
年をとり、体を悪くして、できないことが増えていく。
楽しみにしていたピアノも弾けなくなってしまった。
けれどそれを嘆くのではなく「授かっていたことをお返しした」と受け止める。
・・・お返しした。
なんて素敵な言葉なんだろう。
こんなふうに年をとりたい。
そんなことが言える大人になりたい。
私みたいに欲深いな人間には無理やろうなあ。
あ、うちの母は
「ぜんぜん戻りたくなんかないよー! 今が一番楽しいもん!」
って言ってます。相変わらずです。
本日の猫写真。
先日、ホットカーペットを敷いたら喜びのあまりゴロゴロ転がりだして止まらなくなったシシィさん。多分、50回転はしていたと思う。
コメント
こんばんは。
ずいぶん前、農家の高齢の女性が、死というものを「佛様に命をお返しするのよ」と観音様の様な笑顔でお話なさった事を思い出しました。きっと、この方も美智子さまも、心豊かに人生を送って来られたのでしょう。
けれど、だださんのお母さまの発言も本当に素敵ですね。とても魅力的なお人柄と、憧れております。
仏様に命をお返しする・・・ですか。
生きてるだけで丸儲けというと軽くなっちゃいますが、他によって生かされ、生きさせていただいた命をお返しするのですね。
すごい境地ですねえ。
感謝して生きることが大切なのでしょうね。
わたしもこの記事を読みました。
すてきな考え方ですね。
このように考えたら、老いもおおらかに受け止められますよね。
そして、お母様は、そのようなことをぐんと飛び越えていらっしゃる。
今が一番楽しい。
お母様、あっぱれです。
美智子様、すごく素敵ですよね。
人間的に素敵。
受け入れるってとても難しいことだと思うんです。
どうしたらあんなふうになれるのでしょうか・・・。
母の「いつでも今が一番楽しい」はもう口癖ですね。
いくつになってもブレないです(笑)